連日にわたって熱戦が繰り広げられているFIFAワールドカップカタール2022はベスト8が出揃った。優勝候補と目されるブラジル代表やアルゼンチン代表が順当に駒を進めた一方で、クロアチア代表やモロッコ代表は激闘を制してしぶとく8強に名を連ねている。ここでは、これまでの戦いを分析して数値化し、戦術やフォーメーションを紹介する。※「攻撃」「守備」「選手層」「勝負強さ(≒采配、戦術)」の4項目を25点満点で評価し、合計点で順位を決定。
戦力値ランキング:7位(82)
戦力値:攻撃19/守備21/選手層19/勝負強さ23
監督:ズラトコ・ダリッチ
FIFAランキング:12位
▽今大会成績
第1節:対モロッコ(△0-0)
第2節:対カナダ(〇4-1)
第3節:対ベルギー(△0-0)
ラウンド16:対日本(△1-1 PK:3-1)※記録上引き分け
延長戦を含めた120分で決着がつかなかったラウンド16・日本代表戦は引き分け扱いとなるため、クロアチア代表は1勝3分という成績でベスト8に名を連ねたことになる。グループリーグでも2試合はスコアレスドロー。余裕をもって勝ったのはカナダ代表戦だけだが、そのしぶとさこそが最大の武器でもある。
クロアチア代表はここまでほとんどメンバーをいじっていない。日本代表戦を体調不良のため欠場したボルナ・ソサと前線1枚以外の9人は固定されている。システムもここまで4-3-3で戦ってきた。
相手の出方に応じて柔軟に戦い方を変えてくる。ルカ・モドリッチ、マテオ・コバチッチ、マルセロ・ブロゾビッチの中盤トライアングルは変幻自在で、絶妙なタイミングでポジションチェンジを繰り返す。この3人が三角形になることもあれば、モドリッチがFWのような高い位置を取って4-4-2のような形でブロックを形成することもある。ピッチ上の指揮官モドリッチとその補佐官2人が試合の流れをコントロールしている。
前線では熟練の技を持つイバン・ペリシッチ、最終ラインではこの大会でさらに評価を上げるセンターバックのヨシュコ・グバルディオルなどがキープレーヤーになる。メンバー固定による疲労が懸念されるが、延長戦3試合を戦い抜いて決勝に進んだ前回大会を見ると、ペースダウンすることなく勝ち進む可能性も考えられる。