日本サッカー協会の反町康治技術委員長が12月12日、メディア対応を実施。カタール・ワールドカップで大躍進を遂げている、クロアチアとモロッコから学ぶベき点について語った。
クロアチアとモロッコは、ベルギーとカナダを抑え、共にグループFから決勝トーナメントに進出(直接対決は0-0)。すると、前者は日本とブラジル、後者はスペインとポルトガルを破り、揃って4強入りを果たしている。反町技術委員長は両者をこう分析する。
「クロアチアは非常にしたたか。やらせるところはやらせて、締めるところはしっかり締める。日本もイーブンなゲームをモノにできるようなチームになりたいなと感じた。やっぱり彼らは所属を見ると、もちろん地元の強豪チームもあるが、欧州の5大リーグで出ている選手もいる。だから色んな意味で勝負強さを身につけるのは、勝つか負けるかのギリギリの戦いをやっているリーグの中で鎬を削っているか。
モロッコはクロアチアと同じような身長だけど、足が長くてスリムで非常にシャープな選手が多い。だからキーパーの上からヘディングで叩けるような、ああいう選手も出てくる。チームのスタイルとして、日本は1タッチがすごい魅力なチームだけど、それの逆で非常にドリブルで仕掛けている。我々も三笘(薫)とか堂安(律)とかドリブルで仕掛ける選手もいるが……。彼らのそういうプレーを見て、アイデアを盗むことは非常に大事になってくる」
共通点は守備の充実と説明。「しっかりとしたセンターバックがいて、ベースにしっかりとした守備がないと上にはいけない」と言い、今大会で大ブレイクを果たしている20歳のヨシュコ・グバルディオルを絶賛した。
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「クロアチアの20番の選手はスピードもあるし、ボールも動かせる。素晴らしいと試合を見てて思った。それはモロッコの選手もそうだし。ブラジルではマルキーニョスや(チアゴ・)シウバは相変わらず安定感がある。センターバックだけじゃないが、守備の重要性を感じた。
日本もそうだが、守備からしっかり入ったことで、グループリーグを1位で突破できた。ざっくり感だが、それは日本のストロングポイントで、ある意味、この大会を通じてできた部分もあるので、あとはその上積みとしてどういうことをしないといけないかを指針として考えていければいい」
また、森保ジャパンも大いに苦しめられた37歳のルカ・モドリッチにも言及。日本の司令塔・鎌田大地は、歳を重ねても今なおトップを走り続けるこのクロアチアの英雄を手本にすべきと訴えた。
「彼がレアル・マドリーでやっている試合を何試合も見ているし、今回のクロアチアの試合も見たが、やっぱり活動量が多い。中盤でタメというか時間を作れて、そこでリズムが変わるのがクロアチアの特徴。すっと引いて、はたいた後に前に出ていく力や、プレスバックでディフェンスも惜しまずにやるのは、今のプレーメーカーに問われると思う。
例えば我々で言うと、大地なんかもそういう部類に入るかもしれない。ああいう選手を真似てと言うか、あれくらいハードにやる必要性を感じている。そうじゃなければレアル・マドリーみたいなところで、あの年齢でもやれないんだなと認識した。やっぱりサッカーをよく知っている」
グループステージではドイツとスペインを破り、世界に衝撃を与えた日本は4年後、北米の地でカタールを超えるインパクトを残せるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部