アーセン・ヴェンゲル氏が母国フランスと、第二の故郷といえるイングランドとの対戦を展望した。
10日に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝では大会連覇を狙うフランス代表と、今大会の優勝候補イングランド代表が対戦する。
その一戦を前にアーセナルで長期体制を築き、現在はFIFAのグローバル・サッカー開発部門のチーフを務めるヴェンゲル氏が、フランス『レキップ』で展望を語った。
「今のフランスはハングリーであり、道の終わりではない若いチームだ」
「そして、フランスはフィジカル面で他のチームよりも明らかに優れたポテンシャルを持っている。ただ、そこに関してイングランドは例外かもしれない」
「その意味では、ミッドフィールダー。とりわけ、ジュード・ベリンガムはうまく機能するはずだ。 そのため、この大会においてフランスに最も大きなダメージを与える可能性のあるチームはおそらくイングランドだ」
「早い決勝戦と言える(笑)」
また、元アーセナル指揮官はかつてのライバルチームであるトッテナムで台頭し、イングランド代表でキャプテンを務めるFWハリー・ケインの成長に目を細めている。
「ケインはベンゼマに似た、10番フォワードのような存在だ。彼の分析するスピード、ゲームやスペースに対する認識には目を見張るものがある」
「(アーセナル監督時代に)私が見ていた彼はスペースを生み出すフォワード、ディフェンダーの間に入り込むフォワードとして理解していた。今はプレーメーカーとしてプレーしていても、ケインは素早くシュートを放つことができ、非常に危険なプレーヤーであることに変わりはない。しかも、彼のシュートはスタンドに飛び込んだりはしない」
さらに、自身の在任時代に共に仕事をする機会はなかったものの、後任指揮官ウナイ・エメリ監督(現アストン・ビラ)の下で台頭したFWブカヨ・サカについても言及。
先日のインタビューでヴェンゲルの下でプレーできなかったことを大きな後悔と語っていたガナーズの生え抜きFWに関して、同氏は直接的なかかわりはなかったものの、有望な若手の一人として認知していたことを明かした。
「彼はとても素晴らしい若者だ。もちろん、いつか会うことになるだろう。彼の成長と、彼がまだアーセナルでプレーしていることが嬉しいよ」
「私がまだクラブにいたころ、彼は有望な2、3人のプレーヤーのうちの1人だと聞いていた。とても良いことを聞いていたし、良いメンタリティを持っていると聞いていた。最近では、プレーヤーがすぐに美化されてしまうことが問題となっているが、基礎をしっかり固めることが重要なんだ」