GKリバコビッチがクロアチアのベスト4入りに貢献

 カタール・ワールドカップ(W杯)の準々決勝でクロアチア代表はブラジル代表と対戦。延長後半に劇的な同点ゴールを奪い、2試合連続のPK戦の末に勝利を収めた。2大会連続のベスト4入りに大きく貢献したのが、守護神のGKドミニク・リバコビッチだ。

 この試合は前後半の90分間をスコアレスで終えた。特に後半はブラジルがクロアチアを自陣内に押し込む時間が長く、FWネイマールがエリア内で何度かシュートチャンスを迎えるなど決定機もあった。しかし、シュートはことごとくリバコビッチが防いだ。

 迎えた延長前半15+1分にネイマールが巧みな技術でリバコビッチをかわし、ゴールネットを揺らしたことで決着かと思われたが、クロアチアは延長後半12分に途中出場のFWブルーノ・ペトコビッチが同点弾を奪い、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。クロアチアにとっては日本代表との決勝トーナメント1回戦に続く2戦連続のPK戦となる。

 すると、リバコビッチは後攻のブラジルの1人目FWロドリゴのキックを見事にセーブ。先攻のクロアチアは4人連続で成功させたのに対し、ブラジルは4人目のFDマルキーニョスも失敗したため、PKスコア4-2でクロアチアが準決勝へ駒を進めた。

 リバコビッチは日本とのPK戦でMF南野拓実、MF三笘薫、DF吉田麻也の3人のキックをセーブ。ロドリゴと合わせ、今大会PK戦で4つのPKセーブを記録した。データ分析会社「オプタ」によれば、これは1990年イタリアW杯のアルゼンチン代表GKセルヒオ・ゴイコチェア、2018年ロシアW杯のクロアチア代表GKダニエル・スバシッチと並ぶ史上最多タイ記録。日本代表の前にも立ちはだかった守護神の活躍は記憶だけでなく、しっかりと記録に残るものだった。

 さらに英国メディア「Squawka」によれば、リバコビッチはこのブラジル戦で11本のセーブを記録。これは今大会の最多記録だという。そのうちボックス内からのシュートは7本にも及んだ。PKだけにとどまらない驚異的なセービング力を見せつけた。

 サッカー王国ブラジルを撃破し、2大会連続で準決勝の舞台に進んだクロアチア。27歳のGKがその快進撃を支えている。(FOOTBALL ZONE編集部)