モロッコがポルトガルを1-0で撃破、アフリカ勢初のW杯ベスト4進出

 現地時間12月10日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝でモロッコ代表とポルトガル代表が対戦し、1-0と勝利したモロッコがアフリカ勢として史上初のW杯ベスト4に駒を進めた。モロッコのワリド・レグラギ監督は試合後、「涙を流さずにはいられなかった」と胸中を明かし、「我々はこのW杯のロッキー・バルボアだ」とコメントしている。

 試合は前半42分、モロッコが左サイドからゴール前にクロスを入れるとFWユスフ・エン・ネシリが驚異的なジャンプ力からヘディングシュートを叩き込んで1-0とリード。劣勢のポルトガルは後半6分、DFジョアン・カンセロとFWクリスティアーノ・ロナウドを同時投入して反撃に出ると、後半19分にはMFブルーノ・フェルナンデスが決定機を迎えるも決め切れず、そのままモロッコが1-0で逃げ切った。

 米スポーツ専門局「ESPN」は試合後のレグラギ監督のコメントを紹介。指揮官は、「我々はこのW杯のロッキー・バルボアだ」と語り、成り上がって栄光を掴む人気映画「ロッキー」の主人公ロッキー・バルボアとモロッコ代表を重ね合わせた。

 レグラギ監督はカタールW杯優勝も見据えつつ、「私たちには夢を見る権利と義務がある。簡単な相手とは当たっていない。今この瞬間、誰もが私たちのことを心配し、恐れているはずだ」と自信をみなぎらせている。

 アフリカ勢初となるベスト4進出に感極まり涙を流したと明かすレグラギ監督。「初めて泣いた。私は監督で、自分の感情をコントロールし、選手たちに強さを示し、毅然とした態度で模範を見せなければならないのだが、準決勝まで来ると涙を避けることは不可能だった。センセーショナルなプレーをしたチームを前にして、涙を流さずにはいられなかった」と胸中を明かしていた。(FOOTBALL ZONE編集部)