現地時間12月10日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝で、モロッコがポルトガルを1-0で破り、準決勝に駒を進めた。アフリカ勢として初のベスト4進出という快挙達成に、母国では喜びの声が多く上がっている。
また、その歓喜は、モロッコとおなじイスラム圏である開催地カタールや中東アラブ諸国にも広がっているようだ。現地メディア『Al Jazeera』が報じている。
「モロッコのW杯におけるおとぎ話は、準決勝進出という快挙とともに、フットボールファンを魅了している。特にその甘美な出来事にうっとりしているのは、中東諸国のファンだ。
パレスチナのガザ地区でも、海岸沿いの地区にある最大のスポーツホールが、モロッコを応援する数千人の人々で埋め尽くされた。モロッコ代表は決勝トーナメント1回戦でスペインを破った後、パレスチナの国旗を掲げた。ガザに集った人々は、『モロッコの歴史的快挙をアラブ諸国の勝利』と感じている」
【W杯PHOTO】ベッカム、ロナウド、スナイデル…豪華な面々が勢揃い!カタールを訪れた各国の歴代レジェンドを一挙紹介
また、バーレーンやイラクでもモロッコの快進撃は「歓迎されている」という。
「バグダッドのファンは『この勝利はモロッコだけではなく、アフリカ大陸全体、アラブ世界全体、そして中東地域全体にとってとても象徴的なものだ。まるでイラクがこの試合に勝利したみたいにうれしい』と喜んだ。
カタール国内でもモロッコを応援する声は日に日に大きくなっている。彼らの国旗を掲げて応援するファンは増えており、フランス戦でもその姿を見せるだろう」
モロッコは今大会、グループステージでFIFAランキング2位のベルギーを下し、決勝トーナメント1回戦ではPK戦の末にスペインに競り勝った。準々決勝でクリスティアーノ・ロナウドら才能豊かな選手を擁するポルトガルを破ったことで、さらに勢いづいている。
準決勝で対戦するのは前回大会王者フランスだ。アフリカ、そしてアラブ諸国の“サポート”を受けるダークホースはどこまで食らいついていけるか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部