フランス代表がイングランド代表を2-1で破った現地時間12月10日のカタール・ワールドカップ準々決勝で物議を醸したのが、ウィウトン・サンパイオ主審だ。
 
 記者席から見ていてもやや動きが散漫で、接触プレーは流す傾向がかなり強かった。試合後には敗れたイングランド代表はもちろん、勝利したフランス代表の選手からも不満の声が多く漏れた。
 
 隣に座っていた外国人記者は、前半の段階から不満タラタラ。「PKだろ!」、「嘘だろ!」、「どこを見てるんだ!」と叫びっぱなしだった。
 
 見かねて自分が「今日の主審はブラジル人みたいだね。普段はヨーロッパで吹いていない」と話しかけると、外国人記者はこう言っていた。
 
「ブラジル人か。彼はトップレベルを知らないのさ。チャンピオンズリーグを裁いた経験もないレフェリーに、こんなビッグマッチを任せるなんて信じられないよ。酷いもんだ」
 

 現在40歳のサンパイオ主審は、2013年からFIFA国際審判になりコパ・アメリカやW杯南米予選、クラブW杯などの試合を担当。W杯は前回のロシア大会でVAR担当を務め、主審はこのカタール大会が初めてだった。
 
 今大会はここまで3試合(セネガル対オランダ、ポーランド対サウジアラビア、オランダ対アメリカ)を担当。そこでの評価が高くイングランド対フランスも任されたが、今回は批判が渦巻いている。
 
 ただ、ブラジル・メディアの『globo』は、サンパイオ主審が決勝を任される可能性があると報道。すでにブラジル代表が敗退し、アルゼンチン代表も準決勝で敗れれば南米勢はファイナルに出ないため、他の地域のレフェリーよりも指名しやすいという。
 
 外国人記者に「トップレベルを知らない」と酷評されたサンパイオ主審だが、はたして
FIFA審判委員会はどう判断するか。ちなみに同組織の委員長は、往年の名レフェリーで日韓W杯決勝でも笛を吹いたイタリア人のピエルルイジ・コッリーナ氏だ。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

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