【FIFA ワールドカップ カタール 2022・決勝トーナメント準決勝】フランス2-0モロッコ(日本時間12月15日/アルバイト スタジアム)

FIFA ワールドカップ カタール 2022 準決勝のフランスvsモロッコが行われ、テオ・エルナンデス(ACミラン/イタリア)とランダル・コロムアニ(フランクフルト/ドイツ)の今大会初ゴールが生まれたフランスが2-0で勝利を収めた。

【映像】怪物・エムバペ、大車輪のお膳立て

2018年のロシア大会王者フランスは、大会前から「怪我人の多さ」を不安材料に挙げられてきた中で、それを感じさせない強さを示してきた。今月20日に24歳の誕生日を迎える再注目FWキリアン・エムバペは、準決勝までに5ゴールを挙げて得点ランキング首位に立ち、準々決勝イングランド戦で決勝点をマークしたオリビエ・ジルーも4得点とFW陣が活躍し、選手層の厚さを披露しながら攻撃力を誇示してきた。

一方、大会前時点のFIFAランキング22位モロッコは“ダークホース“と呼ばれた。クロアチア、ベルギーと同組を2勝1分で首位通過し、36年ぶりの決勝トーナメント1回戦はスペインをPK戦の末に撃破。特に2本のシュートをシャットアウトした守護神ヤシン・ボノ (セビージャ/スペイン)のセーブは圧巻だった。同国史上初のベスト8入りを果たした試合後は、優勝したようなお祭り騒ぎを見せた。続くポルトガル戦もユセフ・エンネシリ (セビージャ/スペイン)の決勝ゴールで「アフリカ勢初のベスト4進出」の快挙を達成した。

前回王者か、歴史を塗り替え続けるダークホースか。そんな試合は、両者の“攻守“がはっきりと分かれた。

試合はいきなり動いた。5分、相手ゴール前に攻め込んだフランスが波状攻撃を仕掛けると、今大会、ここまで5試合で1失点のみの“赤い壁“と称賛されたモロッコ守備陣が体を張って弾き返したが、ボックス内左へとこぼれた浮き球を、テオ・エルナンデスが左足でジャンピングボレー。きっちりと押さえ込んだシュートをゴールネットに突き刺し、フランスが先制に成功した。

対するモロッコも、44分にジャワド・エルヤミクがボックス内でアクロバティックなバイシクルシュートを放つなどゴールを脅かしたが、試合はフランスのリードで折り返した。

後半に入り、モロッコが攻勢を強めると、何度かゴール前に侵入するシーンを作ったもののスコアを動かすには至らない。フランスも自陣からの守備を中心に、カウンターでは中盤のアントワーヌ・グリーズマンを起点としながら、前線のエムバペをターゲットにして攻め込む展開を見せていった。

迎えた79分に追加点が生まれた。決めたのは、ランダル・コロムアニ(フランクフルト/ドイツ)。78分に投入されたばかりの選手が、ボックス内のエムバペのフィニッシュがディフェンスに当たってコースを変えたところを詰め、ファーストタッチでゴールに流し込んだ。

その後、モロッコが果敢に追撃を狙ったもののスコアを動かすことはできず。エルナンデスとコロムアニの初ゴールが生まれたフランスが下馬評通りの強さを見せてモロッコを一蹴した。1934年大会と1938年大会のイタリア、1958年大会と1962年大会のブラジルに続く、60年ぶり史上3カ国目の大会連覇へ王手をかけた。

(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)