FIFAワールドカップカタール2022・準決勝が13日に行われ、アルゼンチン代表がクロアチア代表を3-0で下した。試合後、エミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ/イングランド)が取材エリアに姿を見せ、ここまでの道のりを振り返った。

 クロアチア代表との一戦では、序盤こそ押し込まれる展開となったものの、34分にリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン/フランス)のPKでアルゼンチン代表が先制に成功する。その直後にはフリアン・アルバレス(マンチェスター・C/イングランド)がゴールネットを揺らし、2点をリードしてハーフタイムに突入した。後半にはメッシのアシストからアルバレスが自身この日2点目を決め、試合は3-0でタイムアップ。勝利したアルゼンチン代表は、18日に控えた決勝戦でフランス代表と対戦することが決まった。

 試合後、マルティネスはクロアチア代表との難しい一戦を乗り越えられた理由として「僕らは苦しみを知っていた」と話す。グループステージからの戦いを振り返って「サウジアラビアに苦しめられて以降、僕らは良いプレーができているし、点も取れている。だが、オーストラリアには苦しめられ、オランダ戦は試合をコントロールできたのにPK戦に突入しなければならなかった。点を取られていては仕方のないことだ」と語ると、「だから、今日の試合ではハーフタイムに『同じ轍を踏まないように』と皆で話した。やるしかないと思っていたよ。守備陣は非常に良いパフォーマンスだったと思うし、前線にはモンスターがいる。それも世界に通用するレベルが何人もね」と、クロアチア戦のチームを褒め称えた。

 マルティネスはサウジアラビア代表に敗れた後のことを、「本当に難しい時間だった。何も楽しくない数日だった」と明かす。それでも、第2節のメキシコ代表の勝利で「何かから解放された」と話すと、その後は安定した戦いぶりで決勝戦まで上り詰めた。「今日は気持ち良く勝つことができた。最後の10分間を楽しめたのは今日が初めてだ。嬉しいし、誇らしい気分だね」と喜びを明かした後、「でも、コパ・アメリカと同じで、勝たなければ何の価値もない」と決勝戦に向けて気を引き締めている。

 16歳でイングランドに渡ったマルティネスにとって、母国を代表してプレーすることは「最も誇らしい瞬間」だという。「試合中に僕の名前を叫んでくれるのは、本当に嬉しいことだ。若くしてイングランドに行って戦ってきたから、今日、アルゼンチンの人々の心の中にいることが、僕の最も誇らしいことだよ」と喜んだ。

 アルゼンチン代表にとって26年ぶり3度目のワールドカップ優勝を懸けたフランス代表との一戦は、18日の日本時間24:00にキックオフを迎える。