かつてアーセナルで長く監督を務めたアーセン・ヴェンゲル氏が、アルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ)について言及した。15日、イギリス紙『デイリーメール』がコメントを伝えている。

 2021年6月の代表デビュー以来、アルゼンチン代表の絶対的守護神として活躍を続けているE・マルティネス。現在開催中のFIFAワールドカップカタール2022でもチームの正GKを務めており、準々決勝のオランダ代表戦でPKを2本セーブするなど好守を連発。アルゼンチン代表の2大会ぶりとなる決勝進出に大きく貢献した。

 所属するアストン・ヴィラでも正GKを務めているE・マルティネスだが、かつては不遇の時期が続いていた。2010年に17歳の若さでイングランドの強豪アーセナルに入団するも、同クラブでは定位置を掴むことができず、約10年間の在籍で合計6度ものレンタル移籍を経験。2020年9月に退団を決断するまで、アーセナルでは38試合の出番しか与えられなかった。

 困難な期間を乗り越え、自らの力でキャリアを大きく好転させたE・マルティネス。かつてアーセナルで22年にも及ぶ長期政権を築き、自身もE・マルティネスを指導した経験を持つヴェンゲル氏も、同選手の現在の活躍を高く評価しているようだ。ヴェンゲル氏は、30歳にしてW杯の決勝まで登り詰めた”元教え子”について次のようにコメントしている。

「私は彼の活躍をとても嬉しく思っている。我々は彼の持っている大きな資質を理解していた。決断力と学ぶ意欲があり、大きな情熱を持って試合に臨むことができるプレーヤーだ。レンタル移籍を経験し、満足にプレーできないこともあったが、彼の信念とやる気は失われなかった。彼のこれまでの経験を知った上で現在のプレーを見ていると、彼の成し遂げた偉業にさらに感心してしまうよ。我々は彼を誇りに思う」

 アルゼンチン代表は18日に行われるカタールW杯・決勝で、36年ぶりの優勝を懸けてフランス代表と激突する。”レンタル地獄”から這い上がってきた”不屈の守護神”E・マルティネスのプレーにも注目だ。