【戦評】オルシッチが技巧的な決勝弾、モロッコは息切れした感も

 カタール・ワールドカップ(W杯)は大会23日目を迎え、3位決定戦が行われた。しぶとさを見せて2大会連続でベスト4入りしたクロアチア代表と、アフリカ勢として史上初の4強入りを果たしたモロッコ代表という今大会を盛り上げた両者の対戦は、クロアチアに軍配が上がった。

■クロアチア 2-1 モロッコ
3位決定戦
キックオフ:現地時間12月17日18時(日本時間19日0時)

1-0 前半7分 ヨシュコ・グバルディオル(クロアチア)
1-1 前半9分 アクラフ・ダリ(モロッコ)
2-1 前半42分 ミスラフ・オルシッチ(クロアチア)

 試合は序盤にいきなり動き、クロアチアがセットプレーからDFイバン・ペリシッチの頭を経由したボールにDFヨシュコ・グバルディオルがダイビングヘッドでゴール。一方のモロッコもセットプレーから、相手に当たって大きく浮いたボールにDFアクラフ・ダリが反応して即座に同点ゴールを奪った。その後はクロアチアがモロッコのMFソフィアン・アムラバトを起点にしていくビルドアップへ明確な対策を施してリズムを作らせなかった。このゲームへの準備の良さを見せる形でリズムを掴み、前半42分には攻撃後の即時奪回からMFミスラフ・オルシッチが技巧的なシュートを決めて勝ち越した。

 後半はモロッコのプレスをクロアチアのMFマテオ・コバチッチとMFルカ・モドリッチのところで外しながらいなすスタートになった。後半の半ば過ぎからは1点を追うモロッコの攻勢が強まったが、判定にいら立ちを募らせて自らペースを手放した感もあった。最後はFWユスフ・エン・ネシリが打点の高いヘディングでゴールを狙うもクロスバーの上に飛んで万事休す。クロアチアが1998年フランスW杯の3位、前回ロシアW杯の準優勝に次ぐ好成績で大会を終えた。一方のモロッコも、最後は息切れした感があったものの鮮烈な印象を残す1か月間になった。(FOOTBALL ZONE編集部)