アルゼンチン代表FWリオネル・メッシが20日、自身の公式Instagram(@leomessi)を更新した。

 FIFAワールドカップカタール2022で、アルゼンチン代表は36年ぶり3度目の頂点に立った。18日に行われたフランス代表との決勝戦は120分間では決着がつかない“死闘”となったが、最終的にはアルゼンチン代表がPK戦を4-2で制した。メッシは決勝戦で2得点、PK戦でも1番目のキッカーを務めて見事に成功。35歳のメッシにとって、5度目の挑戦にして悲願のワールドカップ初制覇を成し遂げていた。

 さらに、メッシはワールドカップ史上初めて決勝トーナメントで4試合連続ゴールを記録した選手となっただけでなく、ワールドカップ通算26試合に出場したことから、元ドイツ代表MFローター・マテウス氏が保持していたワールドカップ歴代最多出場試合数の記録も更新。アルゼンチン代表の栄冠だけでなく、個人としても様々な記録を打ち立てていた。

 カタールからの帰国後はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで優勝パレードを実施。政府が20日を祝日にしたこともあり、パレードには推定500万人が詰め掛けた。熱狂的なファンたちの影響でバスはなかなか進むことができず、警備上の理由から途中で終了。ヘリコプターに乗って祝祭を締め括る形となっていた。

 アルゼンチン代表をサポートする多くの人々が未だ熱狂に包まれる中、メッシは20日に自身のInstagramを更新。自身が幼少期にサッカーをしている姿、夢を聞かれて「アルゼンチン代表に入ること」と回答したインタビュー、FIFAワールドカップブラジル2014の決勝戦で敗北して失意に暮れる選手たち、そして今大会の躍動をまとめた動画を公開した。

 さらに、長文の文章も記されている。ワールドカップを制覇するまでの率直な心境、ブラジル大会の忌まわしき記憶、アルゼンチン国民からの期待。そして、同国の“レジェンド”で、2020年11月に逝去したディエゴ・マラドーナ氏への感謝。様々なことを踏まえ、改めて感謝の想いを綴った。

「グランドリでサッカーを始めてからカタールW杯が終わるまで、約30年の歳月が流れた。ボールが僕に多くの喜びを、そして時には悲しみを与えてくれた約30年間だった。僕にはずっと、世界チャンピオンになるという夢があった。実現しないかもしれないと思ったこともあったが、挑戦をやめようとは思わなかった」

「僕たちが獲得したこのトロフィーは、過去に出場したワールドカップで優勝できなかった人たちのものでもある。決勝戦まで懸命に努力を積み重ね、僕だけでなく皆が優勝を心待ちにし、誰もが栄冠に値していた2014年のブラジル大会で共に闘った選手たちも、このトロフィーを受け取る権利があるんだ。あの忌まわしい決勝戦でさえ、価値があることだった」

「さらに、天国から僕らを応援してくれたディエゴのものでもある。 そして、試合の結果を眺めるだけでなく、思い通りにならないことがあっても、常に熱い想いを乗せて、アルゼンチン代表を応援してくれたすべての人たちのものでもあるよ」

「もちろん、今大会に向けて集まったこの美しいチームとコーチングスタッフ、そして名前を挙げられることはなくとも、僕らの活動がスムーズに進むためにいつも働いてくれているアルゼンチン代表チームの人々のおかげだ」

 最後に、メッシは「たくさんの失敗は、この旅路と学習の一部にもなる。失望なくして成功はあり得ない」とこれまでの道のりを振り返ると、「本当に、心の底からありがとう!アルゼンチンは最高だ!!」と締め括った。

【動画】メッシが明かすこれまでの軌跡