今年も残すところあと7日となった。本稿では、2022年のサッカー界における名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る。今回は、カタール・ワールドカップで日本代表に敗れたドイツのメディアが敗戦を嘆いた記事を再掲する。

記事初掲載:2022年11月24日

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 現地11月23日、日本代表はカタール・ワールドカップの初戦をドイツ代表と戦い、2-1の逆転勝ちを収めた。キックオフ直後からボール支配で圧倒され、33分にギュンドアンのPKで先制を許したが、後半はシステム変更や積極采配で一気に盛り返す。すると75分に堂安が、83分には浅野が逆転弾を決め、サッカー大国を相手に大金星を挙げた。

 歴史的一戦を速報で伝えたのが、ドイツのサッカー専門誌『KICKER』だ。「まさか負けるとは……。不甲斐ないドイツが初戦で屈辱的黒星」と題し、次のようにレポートした。

「両チームとも慎重なスタートとなったゲーム。中盤をコンパクトに保ってデュエルでも積極的に渡り合った日本だったが、徐々にドイツがペースを掴んだ。日本の堅固な中央を避けてサイドへ素早く展開し、ムシアラが神出鬼没な動きで敵ディフェンスを混乱に陥れた。30分過ぎからは縦へのボールもどんどん入り、獲得したPKもサイドチェンジから完全フリーのラウムが権田に倒されたもの。81%の圧倒的なボール支配を示しながら、得るべくして得た先制点で、ドイツが俄然優位に立った。

 だが、後半頭から久保に代えて冨安を入れ、さらに三笘、浅野も投じる大胆な交代策で、日本は勇気を取り戻す。かたや、ドイツは少し消極さが目立つようになる。時折カウンターから好機を掴むもフィニッシュで決め切れない。権田の神がかったセーブにも遭い、欲しい追加点が奪えず、オープンな展開を強いられたのだ。
 
 まさに(日本の)驚異のジョーカーたち。ドイツは日本のアグレッシブな采配にゴールをこじ開けられる。交代で投じられた新たなジョーカーの堂安に痛恨の同点ゴールを、さらに浅野にも得点を決められてしまったのだ。勇敢なるサムライたちはアグレッシブな闘いぶりが報われ、2点目を決められなかったドイツには手痛い罰が下された」

 日本はこれまで国際Aマッチでドイツと対戦して1分け1敗だったが、初の公式大会で相まみえて初勝利を飾った。ドイツは2大会連続で、グループステージの初戦を落としている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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