アニメ『薬屋のひとりごと(くすりやのひとりごと)』は、2023年10月から2024年3月までに第1期が放送され、2025年に第2期の開始も決定している人気作品です。
妓楼で生まれ育てられた養育状況がありありと感じられる「薬屋のひとりごと」のお風呂シーン
原作は、日向夏氏により小説投稿サイト「小説家になろう」にて発表中の作品をもとに、作者自身の手で加筆・修正を加え出版された同名小説。「サンデーGX」(小学館)と「月間ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)の2誌で連載されているコミカライズ作品も発売されています。
この記事では、アニメ『薬屋のひとりごと』に登場し、主人公の猫猫(まおまお)と深い関わりのある妓楼・緑青館(ろくしょうかん)を紹介。緑青館の妓女やその身請け方法、緑青館に縁のあるキャラクターなどを解説します。
目次
- アニメ『薬屋のひとりごと』とは
- アニメ『薬屋のひとりごと』に登場する緑青館とは
- 緑青館にはどんな妓女がいる?
- 妓女の身請けとは?
- アニメ『薬屋のひとりごと』緑青館の三姫とは
- 妓女として若くない年齢の三姫は身請けが近い?
- 緑青館は猫猫の生家
- 緑青館のやり手婆とは?
- 離れにいる妓女は猫猫の母・鳳仙
- 緑青館に縁のあるキャラクター・声優一覧
- アニメ『薬屋のひとりごと』緑青館のまとめ
アニメ『薬屋のひとりごと』とは
物語の舞台は、とある中華風の大国。花街で薬師をしていた猫猫は、人さらいに遭い、後宮で下女として働くことになります。面倒事を嫌う猫猫は、薬師であることを隠しながら目立たぬように年季明けを待っていました。
しかし、好奇心から帝の御子の連続不審死事件を解明し、その対応策を匿名で妃へ知らせたことをきっかけに、猫猫は後宮を取り仕切る宦官・壬氏(じんし)の目に留まります。寵妃の毒見役に抜擢された猫猫は、侍女の仕事に加え、壬氏からも面倒事を持ち込まれるようになり、後宮で起こる謎や事件を解決へ導いていきます。
アニメ『薬屋のひとりごと』に登場する緑青館とは
緑青館は、花街にある妓楼で、「ひと晩で1年分の給金が吹っ飛ぶ」と言われるほどの高級店です。性的なサービスを提供するだけでなく、舞踏や音楽、詩吟、碁などの芸能でも客を楽しませています。基本的に「一見さんお断り」のシステムで、財力があるだけでは簡単に利用できません。
緑青館にはどんな妓女がいる?
緑青館には、中級から最上級の妓女がそろえられています。なかでも最上級妓女の三姫(さんひめ)は、高級官僚でもなかなか手を出せない高嶺の存在です。
ほかには、第8話で心中を装った事件を起こした妓女や、第12話で屋敷での宴に参加した多数の妓女などが、1期の中で描かれています。また妓女以外に、将来妓女となるべく教養を学んでいる幼い禿(かむろ)も第8話に登場しました。
妓女の身請けとは?
アニメ『薬屋のひとりごと』では、たびたび妓女の「身請け」に関わる話が描かれています。
身請けとは、客が妓女の借金に相当する代金を支払い、年季が明ける前に妓女の勤めを辞めさせ、身柄を引き取ることです。身請けされた妓女の多くは、引き取った客の妻や妾になります。壬氏に身請けされ、宮廷で女官として働く猫猫のようなケースも稀にあります。
身請けに必要な金額は、妓女の借金分だけではありません。第21話では、猫猫が身請けの価格設定をモノローグで説明しています。猫猫いわく、身請け金は妓女が年季までに稼ぎが見込める金額の倍ほどになるとのこと。
上級になるほど身請け金は高くなり、最上級の三姫であれば、少なくとも銀1万以上になると猫猫は見立てました。三姫のひとり・白鈴(ぱいりん)の身請けを考える武官・李白(りはく)の給金は年に銀1000ほどで、猫猫の見立てによれば、三姫の見受け金は李白の給金10年分となります。
アニメ『薬屋のひとりごと』緑青館の三姫とは
三姫は、緑青館でもとくに売れっ子の最上級妓女です。妖艶な魅力を持つ白鈴、知性的で面倒見の良い梅梅(めいめい)、四書五経を暗記する才女の女華(じょか)の3人を、そう呼んでいます。三姫は、通常では一目見ることもかなわないような存在で、客だけでなく市民からもアイドルのようにあこがれられています。
三姫は赤子のころから猫猫の面倒を見ていため、猫猫にとっては母親のような存在でもあります。
妓女として若くない年齢の三姫は身請けが近い?
三姫は3人とも明確な年齢は明かされていませんが、妓女としては決して若くありません。そのため、近い内に身請けにより妓女を引退することも作中で示唆されています。ここでは、三姫それぞれの年齢と身請け事情を紹介します。
白鈴
三姫の最年長で、年齢は推定30歳前後。やり手婆は白鈴を身請けさせたがっているようで、猫猫によると古いなじみ客2人が身請け候補に考えられるとのこと。武官の李白も、白鈴を身請けしたいと切望しています。しかし、白鈴は当分引退する気はないようで、理想の男性が迎えに来てくれるのを待っていると、第21話の猫猫への文の中で語っています。
梅梅
梅梅の年齢は三十路前です。第24話では、猫猫の血縁上の父・羅漢(らかん)が、猫猫に賭けで負けたことで、梅梅を身請けしようとしていました。しかし、梅梅が窓を開けたことで猫猫の母・鳳仙(ふぉんしぇん)の存在を知った羅漢は、迷わず鳳仙を身請けしました。梅梅は自ら鳳仙の存在を羅漢に教えつつも、鳳仙を選ぶ羅漢を見て泣き崩れていたことから、羅漢に身請けされたい気持ちがあったのかもしれません。
女華
女華は三姫の最年少です。詳しい年齢は明らかにされていませんが、猫猫が幼いころから面倒を見ていたことから、20代後半と思われます。女華は妓女でありながら男嫌いで、身請けの話は作中に描かれていません。
緑青館は猫猫の生家
猫猫は緑青館で生まれ、医師の羅門(るぉめん)に引き取られ薬師として育てられました。やり手婆は猫猫を妓女にしたがっていますが、薬と毒にしか興味のない猫猫は拒否し続けています。ただし、ときには妓女の仕事を一時的に手伝うこともあるようです。第12話では、大勢の妓女とともに、猫猫も三姫の引き立て役として宴に参加しました。
猫猫は基本的な教養として、妓女の振る舞いも教わっているようです。そのひとつに身請けする妓女を送るための舞があり、第24話では鳳仙のために、猫猫が衣装を着て舞を見せました。
緑青館のやり手婆とは?
やり手婆は、緑青館の店主です。いつも煙管を加えていて、金にがめつく横暴な性格をしています。第1話では全財産を差し出した客を無下にあしらったり、第7話では本人を前に李白を値踏みしたりと、その悪態ぶりは客にも容赦ありません。一方、態度には出さないものの、人さらいに遭って行方不明になった猫猫を内心では心配していたように、情に厚い一面もあるようです。
離れにいる妓女は猫猫の母・鳳仙
緑青館には、病にかかった妓女を隔離するための離れがあり、そこには猫猫の母・鳳仙もいます。
鳳仙はかつて、客だった羅漢との間に子どもを身ごもったことで、身請けが破談になりました。そのことで緑青館は評判を落とし、経営難に陥ります。鳳仙は身売りして何人もの客を取るなかで梅毒をうつされ、鼻がもげて意識も朦朧とするほどの重症になりました。羅漢とはすれ違いが続き長年会えずにいましたが、第24話で再会を果たし、羅漢のもとへ身請けされました。
緑青館に縁のあるキャラクター・声優一覧
アニメ『薬屋のひとりごと』では、妓女のほかにも緑青館と関わりのあるキャラクターがいます。ここでは妓女も含めた緑青館に関係するキャラクターと声優の一覧をご紹介します。
猫猫(まおまお)
毒と薬に目がない薬師の少女。緑青館で生まれ育ち、人さらいにあい後宮の下女となる。
声優:悠木碧(ゆうき あおい)
<代表作>「魔法少女まどか☆マギカ」鹿目まどか役、「幼女戦記」ターニャ・デグレチャフ役など
梅梅(めいめい)
三姫の1人。歌や碁、象棋などを得意とし、知性を使って客の相手をする。昔から猫猫の面倒を見ていて、妹のようにかわいがっている。
声優:潘めぐみ(はん めぐみ)
<代表作>「ハピネスチャージプリキュア!」白雪ひめ(キュアプリンセス)役、「【推しの子】」有馬かな役など
白鈴(ぱいりん)
三姫の1人で、舞が得意。猫猫いわく「色欲魔」。母乳が出る体質により、母代わりとなって赤子の猫猫を育てた。
声優:小清水亜美(こしみず あみ)
<代表作>「スイートプリキュア♪」北条響/キュアメロディ役、「リコリス・リコイル」中原ミズキ役など
女華(じょか)
三姫の1人で、客にも才女として知られている。ほかの三姫と同じく、猫猫をかわいがっている。
声優:七海ひろき(ななみ ひろき)
<代表作>「SHAMAN KING」麻倉葉王役、「マッシュル-MASHLE-」アビス・レイザー役など
やり手婆
緑青館を取り仕切る店主。口が悪く、客にも構わず悪態をつくことも。金にがめつく強気な性格。
声優:斉藤貴美子(さいとう きみこ)
<代表作>「機動戦士ガンダム 水星の魔女」ゴルネリ役、「【推しの子】」五反田泰志の母役など
鳳仙(ふぉんしぇん)
緑青館の離れにいる妓女で猫猫の母。梅毒の重症患者。かつて羅漢と関係を持ち、猫猫を産んだ。
声優:桑島法子(くわしま ほうこ)
<代表作>「犬夜叉」珊瑚役、「神風怪盗ジャンヌ」日下部まろん/怪盗ジャンヌ役など
右叫(うきょう)
緑青館で働く男。
声優:長谷川芳明(はせがわ よしあき)
<代表作>「妖怪ウォッチ シャドウサイド」月浪トウマ役、「プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜」佐藤想役など
羅門(るぉめん)
猫猫の養父。猫猫に薬の知識を与え薬師として育てた。緑青館に間借りして薬屋を営み、妓女などに病人が出ると薬を処方している。
声優:家中宏(やなか ひろし)
<代表作>「こちら葛飾区亀有公園前派出所」本田速人(ほんだ はやと)役、「SPY×FAMILY」ウォルター・エバンス役など
羅漢(らかん)
軍部の高官で、胡散臭い見なりや変わった言動から変人軍師と呼ばれている。鳳仙が現役だったころの客で鳳仙と関係をもつ。猫猫が実の娘と知ってからは、猫猫を手元に置こうとやり手婆に交渉し続けた。
声優:桐本拓哉(きりもと たくや)
<代表作>「サマーウォーズ」陣内理一役、「SUITS」(海外ドラマ)ハーヴィ・スペクター役など
李白(りはく)
鍛え上げられた肉体を持つ、若い武官。猫猫の紹介で緑青館を訪れ白鈴の虜に。白鈴を身請けしようと奮闘している。
声優:赤羽根健治(あかばね けんじ)
<代表作>「テラフォーマーズ」イワン・ペレペルキナ役、「宇崎ちゃんは遊びたい!」桜井真一役など
アニメ『薬屋のひとりごと』緑青館のまとめ
緑青館は花街の高級妓楼で、猫猫の生家です。中級から最上級まで大勢の妓女を抱え、なかでも三姫は市民からもあこがれられる高嶺の花でもあります。猫猫とも近しい間柄の三姫は、アニメ『薬屋のひとりごと』の中でよく登場し、身請けに関わるエピソードも描かれています。
猫猫がたびたび里帰りを果たす緑青館は、アニメ『薬屋のひとりごと』における第二の舞台ともいえます。2期が始まる前に、緑青館と猫猫の関係や、縁のあるキャラクターに注目して、配信やBlu-ray・DVDなどで1期の話を見返してみてはいかがでしょうか。
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
この記事の画像一覧アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
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