■「父親に死んでほしい」と願う、ななさん(29)

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 ななさんは、小学5年生の頃から、父親の死を望んでいる。15歳の時に別居したが、その後も度々訪ねてくる。「死んでほしい」と願う主な要因としては、進学・就職など価値観を押し付けて支配してくる心理的虐待をはじめ、年に数回、自宅で暴れ回ること、洋服や生活用品すら新しいものを買わせてもらえないことなどがある。

 父親は「気に入らないことがあると、大声でぶち切れたり、家の中で暴れたり、物に当たったり」する。「どこに地雷があるのかわからずビクビクする。直接的な暴力はないが、階段の柱を折ったり、炊飯器を壊したりする。私の就職が難航していたときに『公務員を受けろ』と押しつけてきて、思い通りにならないと暴れた」と振り返る。

 幼少期には「肩車してもらった」思い出もあったが、「友達に『父に叱られることはあっても、感情に任されて怒られることはない』と言われて、うちは違うと知った。新しいものも、買ったことがバレると、『どこで買った』『いくらした』と聞いてくるので、値札をこっそり捨てている」と明かす。

 ななさんの父親(70)は、大学卒業後に地方公務員を経て、定年後は運送業をしている。性格は、自宅では家族を支配するも、職場では腰が低く、周囲からは好印象で、優しい人に見られる。子どもから見た父親の性格は、「真面目だが融通が利かない。頑固だが、小心者なところもある」。家と外とのギャップは「鳥肌が立つくらい」に違う印象だという。

 母親はどのように対応していたのか。「かなりケンカして、父の怒鳴り声と、母の金切り声が上がっていた」。しかし、ななさんの気持ちは、父親に届いていないようだ。「言ったことはあるが、自分に都合の悪いことは忘れて、真に受けてくれない。今もたまに家へ来て、ドアを開けないと、ノブをガチャガチャやられたりする」と述べた。

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