韓国政治が専門の神戸大学大学院・木村幹教授は、尹大統領が「これは絶対に何か陰謀がある。俺がこんなに頑張っているのに、選挙に負けるのはおかしい。選挙は操作されているに違いない。一応戒厳令は憲法で大統領権限としてあるので、それを使っちゃった」と分析する。
木村氏によると、少数与党になった原因に「民主化した時の妥協策」があるという。韓国は第二次世界大戦後の1948年に建国され、しばらくは事実上の軍事独裁体制が続き、1987年に民主化された。しかし、民主化への移行は翌年にソウルオリンピックを控えたいわば突貫工事だったとも指摘され、その不備が今も続いているという。
「87年に民主化したときにまずは大統領選挙をしたかったので、87年に大統領選挙をする。当時の国会の任期は88年まであったので、88年に国会議員選挙をする。大統領の任期を5年、国会議員の任期を4年にしておけば次の選挙は92年、同じ年にできる、という計算で(任期が)つくられている」任期がずれているため、大統領と国会議員の同時選挙は20年に一度となる。そのため国会議員の選挙では大統領への不満や失策が攻撃され、野党が勝利する傾向に。こうして「ねじれ国会」となり、足の引っ張り合いが常態化しているという。
今回の騒動でも、尹大統領は「赦免権の行使、外交権の行使といった司法審査の対象にならない統治行為だ」と主張するも、野党は弾劾訴追案を提出し、可決。職務停止が決まった。木村氏は「不幸にも憲法改正がされてこなかったので、こんなことになっている」と指摘。突貫で作った憲法が歴代大統領の逮捕につながっているという。
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