舛添氏は「今のヨーロッパは第2次世界大戦前の状況にそっくりだ。プーチン氏はその歴史の教え通りに行動している可能性もある。その歴史が教えるのは最悪のシナリオだ」と、87年前の“ミュンヘン会談”との類似性を指摘する。
ミュンヘン会談は1938年、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーと、イギリスのチェンバレン首相、フランスのダラディエ首相、そしてイタリアの独裁者ベニート・ムッソリーニの4人で開かれた。ヒトラーが主張するチェコスロバキアへの軍事侵攻をどう食い止めるかがテーマだったが、当のチェコスロバキアは蚊帳の外だった。
当時、領土拡大をもくろんでいたナチス・ドイツは、チェコスロバキアに目を向けていた。チェコスロバキアのズデーテン地方にはドイツ人が多く住んでいることから、ヒトラーは「ズテーテン地方ではドイツ人が迫害されている。ドイツ語すら使用が許されていない。分割してドイツに併合しなければならない」と主張した。
これを舛添氏は「プーチン氏がウクライナ侵攻の理由にした『ウクライナ国内に住むロシア人が迫害されている』と同じだ」と説明する。会談の結果、イギリスとフランス、イタリアはドイツによるズデーテン地方併合を認めた。ドイツがそれ以上領土拡大しないことを条件に、強硬なドイツと全面戦争になるのを恐れたのだ。
しかし、イギリスやフランスの弱腰を見たヒトラーは、ズデーテン地方だけでなく、チェコ全域を軍事侵攻・占領し、地図上から消した。さらにヒトラーはポーランドに侵攻して、第2次世界大戦につながってしまう。舛添氏は「当時のチェコスロバキアを現在のウクライナ、ドイツを現在のロシアに置き換えると、全く同じことが起きていると言える」と話す。
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