続いて訪れたのは、以前、日本からオンライン面談を行った、コダイラ・チエコさん。両親の婚姻届けが無く調査が難航している。
コダイラ・チエコさんの父と母の結婚式の写真か
見てもらいたいものがあると差し出されたのは、最近家族が見つけたという1枚の古びた写真だった。かすかに映っているのは、父と母の結婚式と思われるもの。これを両親が結婚していたという証拠にできないか…最後の望みを託した。
2019年、1069人と把握されていた「無国籍」の人数は371人に減少した。(2025年3月時点)その一方で、2024年1月、83歳で亡くなったタムラ・ナティビダドさんは、記憶の中にほとんどない父の身元をずっと探し続け、日本国籍の取得を最期まで信じていた。
「日本人として認められるチャンスがあったなら、母は日本にいる親戚を探していたでしょう。一方で母は、日本にいる親戚がフィリピンにいる自分を探してくれることを夢見ていました」(タムラ・ナティビダドさんの息子・ダニーさん)
もし目をそらせば、彷徨う影がまたひとつ──。
(テレビ朝日制作 テレメンタリー『続・彷徨い続ける同胞』より)
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