■名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件
ウィシュマさん
スリランカ人女性が亡くなった2年後に、名古屋入管に来た間渕医師。診察するのは名古屋入管に収容されている外国人で、日本で暮らす資格を持たず、国外への退去を命じられた人たちなどだ。そこでは診察中も警備官が立ち会うという。
名古屋入管に収容されている外国人は取材時点で、70~80人。在留資格を失い、退去を命じられた人の大半が出国するが、出国できない事情のある人や日本に留まることを希望する人は収容が続く。
2021年、名古屋入管に収容されていたウィシュマ・サンダマリさんが死亡。体調を崩し、点滴や入院を求めたが、聞き入れられず、衰弱した末に亡くなった。入管庁の調査チームは当時の医療体制や職員の意識、情報共有に問題があったと指摘。当時の幹部ら4人が処分を受けたが、刑事責任は問われなかった。
2023年9月に着任した名古屋入管の市村信之局長は「収容施設の中でお亡くなりになるというのは、私はありえないと思っているので、その重い責任を認識している。こういう施設で人の命を預かっているという。あとは診療体制も3年間で大きく変わっている」としつつ、施設内での資料『職員心得』を紹介して「『人権と尊厳を尊重し礼節を保つ』これが最上位の心得だと思っている」と語った。
名古屋入管が行った再発防止策
