【写真・画像】「点滴をお願い」体調不良を訴えるも…“ウィシュマさん死亡”はなぜ起きたのか?現場ドクターが語る入管行政の課題「ブラックボックス…国民全体で考えられる材料を」 6枚目
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セガワ・コスマさん

 入院した男性、セガワ・コスマさん(49)は入院の2週間後に退院。その後も、収容は困難と判断され、一時的に収容を解かれる仮放免になっていた。「収容されてから食事がのどを通らなくなり、食べると下痢をするようになった」。

 母国ウガンダの政情不安で父親が殺害され、兄弟も行方不明になっているという。2015年に観光ビザで来日。難民認定を求めていますが認められず、オーバーステイの状態が続いている。「帰国されられるのが心配だった。ウガンダに帰ったら命が危ない」。

 セガワさんは、知人の支援を受けながら、病院でリハビリを続けていた。セガワさんの知人のマカンガ・ジャファーさん(44)は「入院しても外に連絡がないから、どのような状態かまったく分からなかった。その時はイライラしていた。ウィシュマさんみたいにセガワも死ぬかもしれないと思った」と当時を振り返った。

 また、ウィシュマさんが亡くなったことについては「怖くて、嫌な気持ちになった。人間としてなんでそこまで放っておけるか分からなかった。今でも分からない。どういう気持ちで死ぬまで人間を放っておけたか分からない」と胸中を語った。

「管理するという点ばかりが入管の仕事だと強調して教え込まれた方が何人かおられたのかもしれない。私が入ったころはそうだった。まさに昭和。外国人の管理・送還するのが仕事だと」(市村局長)

「医療知識のほとんどないような人たちが、『ちょっとやばいな』『喋っているからまだいいのか』とか、その程度のことでやっていた。医師が診れば、検査するまでもなく、うちで診ていてはあかんと、救急車を呼んだり、『大きい病院へ行きなさい』と言ったりする。それをここに止めていたというのは、言われても仕方ない」(間渕医師)

ブラックボックスを透明化、入管行政の課題
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