■入管施設での常勤医師の重要性

【写真・画像】「点滴をお願い」体調不良を訴えるも…“ウィシュマさん死亡”はなぜ起きたのか?現場ドクターが語る入管行政の課題「ブラックボックス…国民全体で考えられる材料を」 5枚目
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名南病院・早川医師、運ばれた男性

 2024年5月、名古屋入管を出た1台の車は、体調を崩した被収容者を乗せていた。向かったのは名古屋市内の総合病院。運ばれた男性は、1カ月前に収容された後、十分に食事をとることができなくなり、歩くこともできなくなっていた。

 原因不明の食欲不振。間渕医師の判断で外部病院の医師に診せて、意見を聞くことにした。男性には専門的な栄養管理が必要と判断され、このまま入院させることになった。「患者の健康をどう守るかという点でいえば、以前と比べればはるかに変わった。やはり医者の目が入っているということは全然違う」(名南病院・早川純午医師)

「ウィシュマさんの時と違って、医師が常駐していて、悪くなっていっているのをちゃんと評価しながら、すぐに点滴も始めて、危機的なところは脱した。それでもご飯が食べられないということで、入院にもっていった。二度と同じ失敗を繰り返さないというところは上手くいっていると思う」(間渕医師)

“ウィシュマさん死亡事件”入院した男性が語る
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