■戦争を伝えるフォトジャーナリスト
ジャーナリスト・石川文洋さん(当時26歳)
1960年代、国が南北にわかれて対立する中、アメリカとソ連が介入し泥沼化したベトナム戦争。沖縄戦のあと、27年間アメリカの統治下に置かれた沖縄は、この戦争の出撃基地として使われた。 沖縄から送り出された兵士、基地から飛び立った爆撃機が無差別の攻撃を繰り返し、民間人を含む300万人以上が犠牲になったのだ。
そんな海の向こうの戦争を戦場のベトナムと出撃基地だった沖縄の両方で取材したジャーナリストがいた。当時26歳だった沖縄出身の石川文洋さん。その写真には凄惨な地上戦、戦場で生きる人々の過酷な生活が記録されている。
文洋さんは現在、長野県諏訪市に暮らしている。この日は雑誌の連載記事3本の締め切りとこれから出版する新たな写真集の編集に追われていた。自宅には、これまで撮りためた写真やネガなど10万点以上が保管されている。それらすべてを将来、幼いころに離れたふるさとの沖縄に寄贈したいと考えている。
ふるさと・沖縄のために…
