■「戦争になると人間ではなくなる」
トンキン湾事件 朝日新聞1964年8月3日
初めてベトナムに渡ったのは、1964年8月。アメリカがベトナム戦争に、本格的に介入するきっかけとなった、いわゆるトンキン湾事件の直後のことだ。
母は、アメリカ軍に同行し、刻々と戦況が厳しくなる戦場の最前線で命がけで写真を撮り続ける息子のことを何も言わずに見守っていたという。
「母は苦労しました。私がベトナムに行っている間、ずっと心配していたと思う。だから今、毎朝、親不孝だと私は反省している」(文洋さん)
銃撃戦のさなかに撮影した写真
