■巨大地震想定、厳しい現実

【写真・画像】何度崩れても積み直す…「石垣の里」の人々が守る“価値ある風景” 「孤立します、必ず」巨大地震想定で直面する厳しい現実も 5枚目
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二場健児危機管理専門官

 愛媛県愛南町を震度6弱の揺れが襲ってからおよそ2ヵ月。外泊地区の区長である幸稔さんの呼びかけで、南海トラフ地震を想定した防災学習会が開かれた。こうした学習会は外泊ではもう何年も開かれていなかった。

「ここは能登半島と似たような地形ですよね。孤立します、必ず。必ず、孤立します」「助けはしばらく来ない。それを今日、よく頭の中に入れておいて下さい。冷たいことを言うようですけど、そういう事実を知らないと前を向いて進んでいけませんから」(二場健児危機管理専門官)

 講師の二場健児危機管理専門官が現実を突きつける。海に面した外泊は、南海トラフ地震が起きれば30分から40分ほどで巨大な津波が押し寄せるとされている。さらに集落は半島の端に位置していて、道路が寸断されれば孤立してしまう。

 「公助は、最初から考えちゃいけない」。二場さんは、自分たちで生き延びることの重要性を説いた。防災学習会に最前列で参加していた吉田美伸さんは、防災袋を2つ買ったと見せてくれた。学習会をきっかけに意識が変わったのだ。皆が、ふるさとで生きていくための備えを進める。

津波リスクと危険性
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