■石垣を守ることで繋がる

【写真・画像】何度崩れても積み直す…「石垣の里」の人々が守る“価値ある風景” 「孤立します、必ず」巨大地震想定で直面する厳しい現実も 6枚目
拡大する

大本敬久准教授

 地域の災害の歴史などを研究する愛媛大学の大本敬久准教授は、「過去の記録を見ても、やはりここは津波で襲われた場所っていうのは間違いない」と語る。

 南海トラフを震源とする地震は繰り返し起きている。1854年の安政南海地震では、外泊の近くの集落、内泊に津波の記録が残ると言う。「大体4尺(の津波が)来たって。4尺は1尺が大体30センチ、だから4尺というと120センチ」(大本准教授)

 1946年の昭和南海地震ではどうだったのか。78年前、津波から逃げたという吉田菊美さん。当時のことは93歳(取材当時)になった今でも鮮明に覚えているという。「潮がブクブクブクって膨れて上がってくる。上がってきたら屋敷にザーッと流れて、流れそうになった時に、私らは家の裏の山に登った」。

石垣を守ることで繋がる
この記事の写真をみる(6枚)