■石垣の里に住む人々の不安

【写真・画像】何度崩れても積み直す…「石垣の里」の人々が守る“価値ある風景” 「孤立します、必ず」巨大地震想定で直面する厳しい現実も 4枚目
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石垣の里の街並み

 街にあった商店は10年以上前になくなったため、週に2度、移動販売がやってくる。住民の多くは高齢者で、急な坂道はお年寄りには厳しい。「私らみたいなのはどこも行かん、脚が悪いけん」「良いとこやけど怖い。地震は怖い」(住民たちの声)。

 もし南海トラフ地震が起きたらという不安が募る。「若かったら、走って逃げるのも速い。年とって目も悪くなったら、夜やったらどうしようかと思う。懐中電灯のええの持っていてもやっぱりこけたりする」(住民)。

 そして、もし石垣が崩れれば、避難路が塞がれるかもしれない。「全部コンクリにして耐震補強すれば安心して暮らせるのかもしれないけど、残すべき価値のある風景だと思うので。石垣と共存しながら生活していかんといけない」(幸稔さん)

 石垣の里を襲うのは揺れだけではない。外泊がある半島、その向こうには太平洋が広がっている。南海トラフ地震で想定される津波は5メートルから10メートル。

巨大地震想定、厳しい現実
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