■核兵器の廃絶を訴える被爆医師

【写真・画像】「ノー・モア・ナガサキ」戦後80年、核使用リスク高まる世界へ“叫ぶ” 被爆者たちの切なる訴え 3枚目
拡大する

朝長万左男さん

 被爆者で医師の朝長万左男さん(81)は、40年以上にわたって白血病研究や被爆者医療に尽くし、現在も診療を続けている。

 朝長さんは2023年に原爆投下を正当化する考えが根強いアメリカで、核兵器の廃絶を訴えるキャラバンツアーを発案した。「特に若い世代に生の声を聞いてもらって、核のない世界を自分たちの世代でつくるんだぞということを考え始めるきっかけにしてもらえたら」と期待を込めた。

「被爆の実相を伝えることが大事だが、被爆者として今後核兵器を無くすためにどうしたらいいかという考えを述べた方がいいと思う。これまで谷口稜曄さんとかいろいろな方が実相を話して、共感を得て、『皆さん核兵器を減らす方向にアメリカも動いてください』とお願いしてきただけでは、今が限界。これをアメリカ人が心の中に受け止めて、『責任』を感じて、自分たちが核兵器を本当に減らそうと思わない限り、アメリカは絶対に核兵器を手放さない。それが人類に対しての責任ではないか」(朝長さん)

 聴講したアメリカ市民からは「この国では全てお金に基づいて物事が起こっている。戦争は兵器を造っている人たちの利益になる。軍需産業で莫大なお金を稼いでいる人たちがいる。これが世界から兵器をなくすことが難しい理由だ。大量破壊兵器があることで安全が保たれているんだと洗脳されているアメリカ人もいる。そんな人たちにどうやってアプローチできるというのでしょうか」との意見が上がった。

キャラバンツアーで伝えたこと
この記事の写真をみる(6枚)