将棋の第83期名人戦七番勝負第5局は5月29・30の両日、茨城県古河市で指され、千日手指し直しの末、藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に171手で勝利し、シリーズ通算4勝1敗で防衛3連覇を達成した。ABEMAでは増田康宏八段(27)が解説を担当。名人戦の本シリーズを踏まえ、今後のタイトル戦では「これから千日手が増えそう」と予測した。
決着局となった第5局は、対局2日目の午前中に千日手が成立。第4局から2局連続で千日手が成立する異例の事態となった。指し直し局は角換わり後手3三金型で第2局と同じ出だしに。藤井名人はやや苦しい戦いを強いられることとなったが、最終盤で逆転に成功した。熱戦の終局は午後11時16分。拮抗した大激戦だったことは時計が指し示していた時間を見ても明白なものだった。
“全7局”を指し切り、通算4勝1敗で防衛3連覇を達成した藤井名人。終局後にシリーズを振り返り、「本局は早い段階で形勢を損ねてしまう形になったので、今は反省が一番大きい。シリーズを通して非常に難しい局面が多かったので、いろいろ考えられたことは充実した時間だったと思う。今の自分に足りていないところも見えてきた」と率直な思いを語っていた。
増田八段が「これから千日手が増えそうですね」と語る理由は…




