■再審法の問題点

【写真・画像】袴田事件の58年、精神をむしばんだ“死刑の恐怖”…獄中からの手紙「ボクサーであったが故にデッチ上げられ…」 5枚目
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元裁判官の木谷明氏

 2014年、静岡地裁は再審開始を決定した。裁判長の村山浩昭氏は、5点の衣類について捜査機関によるねつ造の疑いを指摘。さらに「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」と巖さんを釈放した。

 正義という言葉を使った村山氏が真意を話す。「(5点の衣類は)いかにも袴田さんの衣類ですよね。だけどもそれが違うんだってなったときに、偶然ということがあるんでしょうか。そこはもう論理的な推論として(ねつ造が)成り立ってしまうのじゃないかと思いますね。そのことがやはり、釈放するということに結びついている1つの理由にもなっている」

「つまり、有罪の根拠になっている全ての物がデッチ上げられているのです。血染めの着衣については、血痕の諸問題を詳細に暴露することが、完全勝利のために大切です」(獄中からの手紙1987年2月21日)

再審法の問題点
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