釈放まで48年。なぜこれほど時間が掛かるのか。裁判官時代に無罪判決をいくつも出した木谷明氏は、法律の欠陥を指摘する。「再審には全然、規定が整備されてない。村山決定が出てくるきっかけになったのはね、証拠開示だから。(弁護団と検察が)お互いに証拠を『見せろ見せない』で何十年も掛かる。全く無駄な時間なんですよ」。
再審に関する規定は、刑事訴訟法に19の条文があるだけ。1924年に施行されて100年以上経ってもほとんど改正されていない。
「審理の手続きの規定がない。証拠開示の義務がない。検察が不服申し立てできる。大きな問題点はその3つ」(木谷氏)
釈放から10年が過ぎていたが、この間、検察が異議を申し立てたことも審理を長びかせた要因の1つだ。
冤罪に苦しむ人々のために
