■政府の「必要な量は確保」と現場のギャップ
中東情勢の悪化による原油供給不安の影響から一部住宅設備メーカーがユニットバスやトイレの新規受注見合わせや、価格・納期などを調整する可能性を通知している。その影響について新築住宅やリフォームなどを手がけるLIFEFUNDの広報・石野祐太朗氏に話を聞いた。
「ユニットバスが今一番取り沙汰されていると思うが、4月の納品は目処が立っているが、5月以降は目処が立っていない状態」
この背景とされているのが、原材料となる石油製品ナフサの供給不足だ。しかし、4月中旬の会見で木原稔官房長官は次のように述べている。
「ナフサについて現時点では、ただちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されているという認識を持っている」
必要な量は確保されているという政府の見解を、現場はどう捉えているのだろうか。
「会見の話というのは、私たちの見ている世界からするとやっぱりギャップを感じるところはある。実際に5月以降の納入の見通しが立っていない状況というところが不安。『もう見通しが立っているので安心してください』と言われると、その言葉だけ取ってみると、ちょっと違いがあるなと感じる」(石野氏、以下同)
トイレや浴室だけでなく、断熱材や防水シート、塗料や接着剤なども石油由来のため、住宅に関わるあらゆる資材に影響が出ていると石野氏は話す。納期の遅れや値上げなど、多くの懸念を抱えているようだ。
「ナフサの情勢で一番最初に大きくニュースでも取り上げられたのが、『断熱材が40%上がります』というあたりから価格面での値上がりの可能性等が出てきていた。その断熱材がたとえ一つあたりが何千円という値上げだったとしても、それが全体で見ると数十万円になっていく。よくある二階建ての一般的な住宅で考えた時に、100万円以上の値上げはあるだろうなと思っている。その際には合意書など、納期が遅れるとか金額が上がるとなった時にはこうやっていきましょうというお互いの方針を一緒に確かめて、もうしばらくこの形で進めていくことになるかと思う」
政府の言葉と現場にはギャップがあるということだが、ニクヨ氏はこの状況を次のように分析する。
「確かに現場では資材が足りていない状況が出ているが、政府としては、国民に少しでも安心感を持ってもらって、今いろいろあるけれど『急変しないですよ』として、消費を守りたい観点が非常に強いのではないか。せっかく景気も回復してきて、税収も増えている中で、それを冷やしてはいけないところに注意を向けているのが政府側。ただ、実際に現場とギャップがあるのが今問題になっているところだろう」
多岐にわたるナフサ由来製品への影響と経済的打撃
