■深刻な人手不足でガーナに着目する地方
鹿児島県大崎町に構える農業法人「高井田アグリ」。日本人の従業員は10人。特定技能・技能実習生の外国人の数はそれを上回る。特定技能は人手不足の分野で2019年から受け入れが可能になった即戦力となる外国人材だ。畑の手入れから収穫まで、いまや外国人の力は欠かせない。
「農業は特にかもね。日本人はやらないですから。まわらない。縮小すればいいけど」(従業員)
国籍はインドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパール。1カ国に集中させないのは、地方なりの理由がある。高井田アグリの加藤ちどり取締役は「ひとつの国になっちゃうと、あの子たちの日本人が知らないネットワークが多分あると思うので、ここの職場いいよ、お金高いよ、となると一気に「私も移動したい」ってなっちゃう。そうしたら一気にいなくなってしまうと、こちらも仕事がまわらなくなってしまう」と実情を明かす。
地方の農業や建設業は、都市部と比べて給料が低く、外国人からも敬遠されつつある。そんな危機感を抱いているのが、鹿児島県で技能実習生と企業の橋渡し役である監理団体を運営する、江田敦郎さんだ。
「ベトナムなどでも建設業といったら、ひとりも集まらないような状態。九州はもともと賃金が東京と200円くらい違うので、そうなると高いほうにいってしまう。(東京は)物価も高いけどその辺があの子たちにはわからない。もう限界、集まらないし無理かなと思って。本当にどこの国探そうかなという」(江田さん、以下同)
技能実習生を円滑に受け入れられるよう、日本はアジアの16カ国と覚書を交わしている。江田さんが目を付けたのはそのいずれでもなく、アフリカ・ガーナだった。
「知り合いがJICA(国際協力機構)でガーナに行っていて。アフリカの技能実習生はまだ来ていないので。コミュニティとかがないから。他の国に比べると失踪も防げるのではというのが一番。他の国(から来た実習生)は横のつながりで、地域の最低賃金だとか全部わかっているわけですから」
現地に送り出し機関を立ち上げ、日本語や文化を教育。ガーナ政府の推薦を得て2024年、オスマンさん(25)がやってきた。アフリカ人技能実習生第1号。受け入れ先は宮崎県の左官業者で、庭造りや家の外装が専門だ。職人は「真面目ですよ。真面目で几帳面。自分たちが方言だから難しいけど、結構、普通にゆっくり喋れば通じる」と評価する。
月2万ドルを稼ぐガーナ人実習生の素顔と目標
