■ケニア人の採用と“送り出す側”の課題
アフリカ・ケニア。経済成長が著しく、先進国の企業が東アフリカ進出の拠点として注目している国だ。一方で治安には課題があり、政情不安から度々、大きなデモが起きている。
2025年6月、瀧建設の社長は受け入れる3人の技能実習生に会うため現地を訪れた。街の様子を見た瀧社長は「この(建物の)足場を見る限り、香港より立派な足場を組んでいる」と語る。
そして、3人の技能実習生と社長との面接が始まった。
「モリスさんは面接が終わってから勉強始まってるんですか?」
「はい」
「難しいですか?」
「練習と努力を続けているので、そんなことはありません」
「わかりました。うちの会社はたくさんの外国人の方がいるんですけど、東南アジアの子とかペルーもそうですけど、英語を喋れる子が少ないです。仕事のことを何か覚えてこようとかそういうことではなくて、日本語をしっかり勉強、最大限努力して入国して、北海道に来てもらえればと思います」
3人の面接はあわせて1時間ほどで終了した。
ケニアからの人材受け入れには、世界的な海運大手の商船三井も力を入れている。開発途上国のケニアでは若者の数が増える一方、大学を卒業しても就職率は半分以下と雇用不足が深刻だ。
「現状、ケニア人は主に中東に出稼ぎに行っている。中東はかなり働くうえでは条件が厳しい。日本で不足している分野、建設だったり、サービスとか運輸・農業でも活躍しているので、日本をこういったところに食い込めるようにできないかなと」(商船三井・大山幹雄 東アフリカ代表)
この流れに、ケニア政府も大きな期待を寄せている。「日本の企業や人材紹介業者はぜひ私たちと連携し、お互いにとって有益な関係を築いてほしい」(ケニア政府 外務・ディアスポラ省 アイリーン・カラリ担当局長)
しかし、瀧社長は「明らかに(日本に人材を送り出す)環境は整っていない。他の国の子たちは面接のときにちゃんと(日本語を)喋れている子も多い」「心配ではない。そういう風に思ったというだけで。結局来たら何とかはなるので。日本人のアプローチ方法を考える必要はある。それはどの国にもあるので」と話す。
ケニア人実習生たちの決意と生活
