■ケニア人実習生たちの決意と生活
面接した3人のうちのひとり、モリスさん(31)。首都ナイロビの郊外で妻と1歳の息子と暮らしている。共働きでベビーシッターを雇っていて、ケニアでは中流階級だ。
「ここに私のスペースを確保しています。インターネットもある」(自宅を案内するモリスさん)
ケニアには日本語学校がほとんどなく、言葉や文化を学ぶ環境は十分ではない。「カメラ売り場はどこですか?5階です」「お国はどちらですか?」とノートを手に持ち、日本語の練習に励む。
「私はケニアの建設会社で現場監督をしています。日本に行けてとても幸せです。ケニアでこんなチャンスを得ることは難しい」と語るモリスさん。現在の収入は日本円で月4万円ほど。日本ではその何倍もの稼ぎと経験が手に入る。
「ケニアに帰ってきても、十分な貯蓄があれば会社を立ち上げ、身に着けたスキルでケニアに還元することができるでしょう」(モリスさん)
もうひとりの実習生ジョージさん(31)。ナイロビから車で5時間のメルという街で家族と暮らしている。
「ささやかな自宅です」
「(Q.両親は別の部屋?)両親の家はあちらです。私たちメル族のしきたりで、私は両親の家には入れない。(Q.割礼した成人が?)そうです。儀式のあとは入れません」
母・サロメさんに話を聞いた。「(Q.ジョージさんが日本に行くことをどう思う?)大丈夫です。(Q.寂しく感じない?)だからといって私に何ができる?それに彼には仕事が必要です」
ジョージさんは現在無職。妻とは離婚し、2人の娘も妻の元にいる。
日本語の勉強はAIチャットとリモート授業で行う。手探りだが、焦りはない。「(Q.日本語は難しい?)少しだけ。でもなんとかなる。私の目標は自分の経歴になるように日本語を極めることです」。
広がるヘイトと立ちはだかる「偏見の壁」
