「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産へ 景観・遺跡を守るための法律「明日香法」を訴えた男性の存在、住民たちの暮らしのリアル

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明日香法が守った「景観」

 そして、1980年。全国でも珍しい法律が制定された。「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」、通称「明日香法」だ。一つの村のためだけに作られた国の法律は当時、全国で初の試みだった。

 この法律によれば、明日香村に建物を作る際は、屋根の形や色、看板のデザインまで規制。家の改築や増築には奈良県知事らの許可が必要だ。その代わり、国の基金が農業や暮らしを下支えする仕組みもあるという。

「遺跡が壊されないで残っている、開発がストップしている。許されない、明日香法によって。そこら辺は村の人や政治も含めて、みんなで明日香を守ってきている」(境山会長)

 明日香村議会の森本吉秀議員は「周りの橿原市とは明らかに景観が違う。明日香法によって今の歴史的風土、景観、文化財が守られてきたというのは確実に言える。それが今の世界遺産につながっていっている」と考える。

 実際に、どんな家なのか。明日香村役場 世界遺産戦略課の木治準宝課長に“知り合いの家”を案内してもらった。「屋根が日本瓦で吹かれていて、上が白の漆喰、その下が板張りになっている。高さが最高10mと決められていて、2階までの建物になっている。家の周りを囲う塀も、白とか黒とか、そういった色の指定がある。赤や黄、緑を使うのは難しい」。

白川郷、石見銀山…「住む遺産」に課せられた制約
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