「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産へ 景観・遺跡を守るための法律「明日香法」を訴えた男性の存在、住民たちの暮らしのリアル

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白川郷、石見銀山…「住む遺産」に課せられた制約

 古き伝統を保存する法律と、生活を自由に営む権利。その相反する両輪で保たれてきたのが、この景観だ。一方で、生活者の本音はどうなのか。住民は「制約があったら困るとか、昔はいろいろあった。家建てる時にもめたりもした」と振り返る。

 地元の農家(88)は「新たに自分たちの土地であっても家を建てられない。来た人は『のどかでいいね』とか。近代的な建物もないし、周囲を見たら緑がいっぱいとか、そういう面もあるが、商売はできない。いろいろなことが規制されているからできない」と明かす。

 農家の移住者は「基本的には喜ばしいこと。オーバーツーリズムみたいな感じは若干怖い」と言い、また別の移住者も「僕たちにとっては住んでいる場所。何でもにぎわえばいいとは、正直思っていない」と心配する。

 こうした「住む遺産」は、世界的に珍しくない。白川郷(岐阜)では、合掌造りに今も人が住む。屋根の葺き替えは住民総出の共同作業「結」で支える。家そのものが遺産だ。エアコンの室外機やアンテナの設置にも配慮が求められ、建て替えや改修にも厳しいルールがある。

 石見銀山・大森(島根)は、坑道跡へ続く町並みに、今も暮らす“歩く世界遺産”だ。景観保護のため、地区内への自家用車の乗り入れは原則制限。家の外観を変える改修や看板の設置にも制約がある。

「保存」と「生活」のバランス
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