病気を受け入れてもらえず、セックスをする機会もなくなる。それは家族が離れる要因にもなってしまう。「ショックですね。ただ食べて寝るだけの生き物になったみたいな。喪失感もある」。

 黙殺された障害者の性、この問題は当事者だけのものではない。今日本の福祉施設で働く現場スタッフの多くは女性が担っている。あるケアスタッフは、「射精だけじゃなくて、抱きたいとかキスしたいとか、性的な言葉だけでなく手を出されたこともある。心が苦しいと懇願されて」「やっぱり(射精介助を)望んでいる。終わったあとの利用者さんとの関係性であったりとか、いろいろと考えることはある」と話す。

【写真・画像】乙武氏「地獄の苦しみだった」 タブー視されてきた“障害者の性”、当事者が抱える苦悩と課題とは 10枚目
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 一方で、福祉が性の問題に対応することに疑問を感じる人も。長年障害と向き合ってきた現場でも、性の問題となると答えが見つからないのが現状だ。障害者施設職員の男性は、「『(自慰行為を)わー見ちゃった』『こういうことをしていた』というくらいで黙認していた。そこを支援しなさいなんて言葉は中々かけづらい」と語った。

■乙武氏「夢精してもパンツすら洗えない。地獄の苦しみだった」
「外で性犯罪を起こすよりは」自身の胸触らせる母親も…障害児の性欲に葛藤

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