カタール・ワールドカップはあらゆる意味で「初めて尽くし」となる異例の大会だ。初の冬開催が与える影響をはじめ、地理やインフラの特色、そして新設ばかりを使うスタジアムの情報など、事前に知っておきたい7つのポイントを紹介する。

◎カタールの基礎情報
首都:ドーハ
面積:11,427㎢(秋田県よりやや小さい)
人口:約280万人
言語:アラビア語
宗教:イスラム教
日本との時差:-6時間
通貨:カタール・リヤル
主要産業:原油、天然ガス
在留邦人数:701人

POINT1
開催期間は11月21日~12月18日
初の冬開催が与える影響は?

●シーズン途中の各国リーグを考慮して大会期間は28日間とコンパクトに(2018年のロシア大会は32日間)。

●22-23シーズンの欧州各国リーグは例年より1~2週間程度早くスタートする予定。

●登録選手は開幕2週間前まで所属クラブに拘束される予定。準備期間は例年よりかなり短くなる。

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POINT2
国土面積は秋田県と同程度
小国ならではの特徴は?

●過去の開催国で最も国土面積が小さかったのは54年大会のスイス。カタールは同国の1/4程度の面積で大会史上最小となる。

●スタジアム間の距離は最大でもわずか75km程度。移動に苦しめられず、コンディション調整がしやすくなることで質の高い試合が増えそうだ。外的要因が減って強豪国が順当に勝ち上がる可能性も高い?

●ファンは1日2試合のはしご観戦も十分に可能。特定のチームを観戦するための「チーム別チケット」や、4つの異なる会場で試合が楽しめる「4スタジアムチケット」などの特別チケットも販売されている。
 
POINT3
インフラや治安は大丈夫?
カタール現地情報

●現地観戦する場合に必須となるのが『Hayya Card(ヘイヤ・カード)』の申請だ。これはW杯で訪れるファンのために作られた「サポーターID」のようなもので、入国時やスタジアム入場の際に提示が必要となる。試合当日の公共交通機関の利用が無料になる特典も。

●物価
日本よりもやや高め。野菜や果物など、食料品はほとんど輸入品なのでとくに高い。

●治安
問題なし。世界133か国を対象とした犯罪指数・安全指数ランキングでは18年から3年連続1位に。

●交通網
W杯に合わせて19年にドーハメトロが開通。すべてのスタジアムに公共交通機関(地下鉄・バス)で移動できる。

●宿泊施設
ドーハ市内には高級ホテルが多く手が出しづらいものの、大会中は停泊したクルーズ船や砂漠にテントを設営したファンヴィレッジなど、サポーター向けに様々な宿泊スタイルが提供される。

●その他
宗教上、本来は高級ホテルなどを除く、ほとんどの飲食店で酒類の提供が禁止されているが、大会期間中は指定されたファンゾーンやスタジアム内での飲酒が認められる予定。現地の女性は髪をスカーフなどで覆うことが義務付けられているが、外国人は適用外となる。
POINT4
スタジアムの特色は?

●「レガシー(遺産)」と「サステナビリティ―(持続可能性)」をテーマに新たに建設された7つのスタジアムを含む全8会場を使用する。

●ドーハに新設された『スタジアム974』は骨組の部分には974個の輸送コンテナを使用。大会終了後には解体され、別の建設資材として再利用される。「期間限定」となるスタジアムは大会史上初。

●その他のスタジアムも大会終了後にスタンドを改修してコンパクトにするなど「負の遺産」にしないための計画が施されている。

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POINT5
更新が期待される記録は?

●現在、W杯通算19試合に出場しているリオネル・メッシは、ローター・マテウス(元西ドイツ/ドイツ代表)が持つ通算出場試合記録(25)を更新する可能性がある。アルゼンチンが決勝(or3位決定戦)まで勝ち進み、メッシが全7試合に出場すれば新記録を樹立する。

●クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)は今大会でゴールを決めれば、前人未到の5大会連続のスコアラーに。
 
POINT6
実質初! 出場回数ゼロの開催国

●開催国のカタールは1978年大会以降、計11回のW杯予選に出場しているがすべて敗退。

●本選出場経験のない開催国は、第1回大会のウルグアイ、初参加となった2回目のイタリアを除くと初となる。開催国の成績は、大会全体の盛り上がりを大きく左右するだけに躍進が期待される。

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POINT7
日本でのテレビ中継は?

●動画配信サービス『ABEMA(アベマ)』がグループリーグを含む全64試合を生中継。全試合無料でのライブ配信は日本史上初。
●地上波では、NHKが開幕戦と決勝を含む計21試合、テレビ朝日とフジテレビが10試合ずつを放送予定となっている。

構成●ワードサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年4月21日号より転載・加筆

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