UEFAネーションズリーグ(UNL)のリーグAグループ2第2節、チェコ代表vsスペイン代表が5日に行われ、2-2のドローに終わった。
スイス代表との初戦を2-1で制し、グループ首位に立ったチェコは、初戦からのメンバー変更を3選手に留めて難敵相手の連勝を狙った。
一方、ポルトガル代表との初戦を1-1のドローで終えたスペインは、今大会初勝利を目指して敵地へ乗り込んだ。初戦からはGKウナイ・シモン、ガビ、サラビアを除く先発8人を変更。
4バックは右からカルバハル、エリック・ガルシア、イニゴ・マルティネス、マルコス・アロンソ。中盤はロドリのアンカーにコケとガビのインテリオール、3トップは右からサラビア、デ・トーマス、ダニ・オルモとなった。
互いに中2日の過密日程で臨んだ中、ターンオーバーを最小限に留めたホームチームがいきなりゴールをこじ開ける。
4分、ハーフウェイライン付近の右サイドで持ち上がったツォウファルからの斜めのグラウンダーのスルーパスに反応したクフタが相手最終ラインの背後へ抜け出すと、ボックス右でDFとGKを引き付けて左を並走するペセクにラストパス。これをペセクが難なく流し込んだ。オフサイドディレイとなったが、VARのレビューの結果、最終的にオンサイドでのゴールが認められた。
オフサイドを取り損ねて早々の失点となったスペインはここからボールの主導権を握って相手を押し込んでいく。しかし、守備時に[5-4-1]の堅固なブロックを敷くチェコの守備に苦戦を強いられ、なかなか仕掛けのパス、個での打開を図れずにフィニッシュまで持ち込めない。
前半半ばを過ぎた27分にサラビアがようやくファーストシュートを放ったスペインは、34分にセットプレーからエリック・ガルシアが最初の枠内シュートを放つ。
一方、先制点以降は守勢が続くチェコは20分過ぎにゼレニー、40分過ぎにはそのゼレニーに代えて投入したヤンクトが続けて負傷するアクシデントに見舞われる。
すると、3度の交代機会を考慮してか、ピッチを退いたヤンクトの交代選手を投入せず、ハーフタイムまでの数分間を10人で戦うことを選択したチェコに対して、スペインが襲い掛かる。
前半アディショナルタイム3分、相手を押し込んでカルバハルの右クロスのこぼれ球をペナルティアーク付近で回収したロドリがボックス右のガビの足元に繋ぐと、17歳MFは相手を抜き切らずに絶妙な左足のグラウンダーシュートをゴール左下隅に流し込んだ。
ガビのスペイン代表最年少ゴール(17歳と304日)によって1-1のイーブンで折り返した試合。スペインはハーフタイム明けにサラビアを下げてフェラン・トーレスを投入するが、立ち上がりの54分には再び背後を簡単に取られてクフタに決定的なシュートを許す。
このピンチを何とか凌いだスペインはフェラン・トーレスを起点に続けて決定機を作り出すと、61分にはデ・トーマス、ロドリ、ダニ・オルモを下げてモラタ、ブスケッツ、アセンシオの3枚替えを敢行。すると、アセンシオがファーストプレーで左ポスト直撃のシュートを放って早速チャンスに絡む。
だが、序盤のチャンスをモノにできなかったアウェイチームは、先制点と似たようなシチュエーションから再び失点を喫する。66分、中盤でマルコス・アロンソの内側へのパスを引っかけられると、ハーフウェイライン付近の左サイドでチェルニーが斜めに入れたパスで最終ラインがクフタに完璧に入れ替わられる。最後はボックス付近まで運んだクフタに絶妙なミドルループを流し込まれた。
リスク管理ができずに再び追う展開となったスペインは、直後の70分に左サイド深くでアセンシオが入れた正確なクロスからフェラン・トーレスに決定機が訪れるが、このヘディングシュートは惜しくも右ポストを掠める。
その後は途中出場のモラタらを起点にリスクを冒して前に出るスペインがチェコを完全に押し込んでいくが、専守防衛の構えを見せるホームチームの守備をあと一歩のところで崩し切れない。
それでも、粘るルイス・エンリケ率いるチームは土壇場で追いつく。90分、左CKのショートコーナーから左サイドのアセンシオが鋭いクロスを入れると、ファーサイドで競り勝ったイニゴ・マルティネスのヘディングシュートがクロスバーの内側を叩きバウンドしたボールがギリギリでゴールラインを割った。
そして、伏兵の一撃で辛くも同点に追いついたスペインだったが、2試合連続のドローで今大会初勝利はまたしてもお預けとなった。
なお、初勝利を目指すスペインは9日にスイス戦、首位奪還を目指すチェコは同じ日にポルトガルとの上位対決に臨む。