ガーナ代表のナナ・オットー・アッド監督が、10日に控える日本代表戦に向けてコメントした。

カタール・ワールドカップ(W杯)アフリカ予選を戦い、最終予選ではナイジェリア代表をアウェイゴール差で下して出場権を獲得したガーナ。2大会ぶり4度目のW杯に向けて調整を行っている。

そのガーナは、6月に入り来年行われるアフリカ・ネーションズカップ予選を2試合戦い、マダガスカル代表戦では3-0で勝利。中央アフリカ代表戦では1-1と引き分けて来日した。

オットー・アッド監督は明日の日本戦を前に記者会見に出席。良い経験にしたいと意気込んだ。

「ガーナ代表として伝統のあるキリンカップに招いていただき光栄に思っている。世界中から来た優れたチームと戦う可能性があるのでチャレンジにも光栄に思う」

「(日本代表の)ブラジル戦を見たが明日の試合はタフな試合になるだろう。遠藤(航)のようにブンデスリーガで活躍する選手、ヨーロッパでプレーする国際的な選手がたくさんいる。タフな試合になるが、貴重な経験になるだろう」

そのガーナだが、ストロングポイントを問われると「明日の試合の前に長所も短所も話すのは難しい」と語らず、「明日の試合でどこが良い点かを見せたいと思う」と、試合で披露したいとした。

その中で、「W杯予選でのナイジェリア戦ではポゼッションがよかったが、2戦目はFWも苦労した」と語り、「厳しい体験をしてチームとして向上したと思う」とこれまでの経験がチームを強くしているとした。

今回は18名での来日。メンバーについて問われると「明日の試合は日本にとって厳しい試合になると思う」と語り、「経験のある選手もいれば、かなり若い選手もいるので、バランスが良いと思う」と、チームバランスには自信を見せた。

その中で、軸となるイドリス・ババ(マジョルカ)やジョセフ・ペイントシル(ヘンク)は来日せず。

その理由については「良いスカッドを連れてきたが、連れて来たかった選手を全員連れてこれなかった。ケガの選手が多い」とコメント。「また、長いシーズンだったのでクラブでのシーズンの疲れが溜まり、それがケガという結果で悪い影響を生んでいた」と、疲労からくるケガの影響で来日を断念したという。

特に「ペイントシル、ババは背中を痛めていて連れてこれなかった」と、2人はケガだとし、その他のメンバーについても「日本への長旅ということもあり、コンディションを悪化させたくなく、ベストなメンバーを連れてきた」と、戦える精鋭で臨むことにしたことを明かした。

その中での注目は18歳になったばかりのアブドゥル・ファタウ・イサハク。スピルティング・リスボンのU-23チームでプレーしており、ガーナ代表としても経験を積んでいる逸材だ。

ファタウについては、「ファタウは非常に良い選手でスキルもあり、俊敏だ。ナイジェリア戦でもゴールを決めている。若くてアクティブだ」と評価。「まだ学ばなければいけないことがあり、明日は良い経験になるだろう」と、日本戦も成長に繋がると考えているようだ。

オットー・アッド監督は、現役時代はブンデスリーガでプレー。ハノーファー、ドルトムント、マインツに所属した。

現在はドルトムントのスカウトを務めながら、カタールW杯アフリカ最終予選から急遽指揮を執るという二足の草鞋状態。その中で、チームづくりで考えていることを語った。

「チームが団結し、1つのユニットとしてプレーすることが大事で、戦術面を大事にしている。しっかりと準備をし、選手たちに試合前に動画を見せて、分析の結果を共有する。自分たちが相手をこう理解している、相手の予測を選手に理解をし動いてもらう」

「我々が伝えたことが1つになって、チームとしてプレーできることが、我々監督、コーチの仕事だと思う。我々はボールを握ったらメリットがある。しっかりと自分たちのプレーができる」

「相手の危険なプレー、長所も理解できている。ただ、自分たちのプレーをするためには、選手たちが頭の中に伝えたことが通じて、忘れず、ピッチでプレーに生かすことが大事だ。試合前に選手たちの理解を深めて、適切なガイダンスを与えることが大事となる」

しっかりと相手を分析し、その対策を行っていく戦い方をするというオットー・アッド監督。かつてのアフリカ勢の身体能力を生かしたサッカーではなく、現代的なサッカーをしそうだが、果たして日本相手にどのような準備をしているのか注目だ。