カタール・ワールドカップに向けて4試合の強化試合が組まれた日本代表の6月シリーズで、大きな注目ポイントの1つとなっているのがインサイドハーフだ。
アジア最終予選では、中盤戦から基本システムが4−2−3−1から4−3−3に変更され、インサイドハーフには田中碧と守田英正が定着。アンカーの遠藤航を含めた中盤トライアングルは、高いインテンシティーを誇った。
しかし、この6月シリーズでは守田が負傷を抱えたまま合流し、結局は1試合もピッチに立てないまま6月7日にチームを離脱した。そもそもバックアッパーが固まっておらず、レギュラーの守田も起用できない中、森保一監督がインサイドハーフでどんな傭兵を見せるかは見所の1つだった。
この6月シリーズに向けて「できるだけ多くの選手を起用したい」と語った森保監督は、実際にここまでの3試合で招集したフィールドプレーヤー全員を起用。田中、鎌田大地、原口元気、久保建英、柴崎岳が呼ばれたインサイドハーフ陣も、以下のように日替わりだった。
6月2日のパラグアイ戦:鎌田、原口(62分から田中)
6月6日のブラジル戦:田中(81分から柴崎)、原口(後半から鎌田)
6月10日のガーナ戦:柴崎、久保
大枠のタイプとして見れば、①創造性が武器の鎌田と久保、②縦の推進力とプレス強度を兼備した田中と原口、③司令塔型の柴崎に分けられる。パラグアイ戦の①+②とガーナ戦の①+③はバランス型、ブラジル戦の②+②はより守備的だ。森保監督はワールドカップ本大会を見据えて様々なテストを繰り返してきた。
6月12日の練習では、ミニゲームながら田中、鎌田、原口のトリオもテスト。シリーズ最後の14日のチュニジア戦では、ガーナ戦でも途中から試した田中をアンカーに置く布陣で、スタメンを組んでくる可能性もある。実際、森保監督は13日の前日会見で、「直近のガーナ戦とはメンバー、選手の組み合わせを変えていきたい」と語っている。
田中をアンカーに置くなら、インサイドハーフでありえる可能性は鎌田+原口、鎌田+柴崎、久保+原口、久保+柴崎という4パターン。従来通り遠藤がアンカーなら、鎌田+田中、久保+田中、田中+原口、田中+柴崎の4パターンも想定できる。ともに本職がトップ下である鎌田+久保のコンビはバランスがあまりに攻撃寄りで、格上のドイツ、スペインと激突するワールドカップに向けてはあまりにリスキー。少なくともスタートからこの形は試してこないだろう。
ここまでの3試合の実績とバランスで考えれば、最有力は鎌田+原口か。ブラジル戦の後半でも組んだ鎌田+田中、今シリーズでまだ1分も試していない久保+原口、久保+田中なども魅力的には映る。
はたして6月シリーズの最終試合となるチュニジア戦で、日本代表のインサイドハーフはどんな組み合わせとなり、ワールドカップ行きをかけて熾烈な競争に晒される各選手はどんなアピールをするのか。大いに注目したい。
取材・文●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)