日本代表のMF鎌田大地がチュニジア代表戦を振り返った。

日本は14日、キリンカップサッカー2022決勝でチュニジア代表と対戦し、0-3で完敗した。

カタール・ワールドカップ(W杯)開幕が11月に迫る中、今回のシリーズで4試合の強化試合を組み、チーム作りと選手のサバイバルが本格化する日本。パラグアイ代表、ブラジル代表、ガーナ代表と戦い、このチュニジア戦が締め括りとなった。

タイトルも懸かる重要な一戦に臨んだ日本だったが、相手のインテンシティとコンパクトな守備に苦戦。前半に幾度かあった決定機も決め切ることができず、最低限の0-0で試合を折り返した。

その後半戦では前半の課題を修正したいところだったが、55分にDF吉田麻也が与えたPKから先制を許すと、以降は選手交代で攻勢を強めたものの、76分には守備陣のコミュニケーションミスから痛恨の2失点目。さらに、一矢報いろうと前がかった後半アディショナルタイムにはカウンターから3失点目まで喫し、思わぬ完敗で4連敗を終えることになった。

同試合後、オンライン会見に出席した鎌田はこの4試合での個人と、チームとしての課題に言及。個人としては、より上のレベルでプレーする上でのプレーの質の追求、チームとしてはW杯に向けてゲーム運びの改善を挙げている。

「課題としては、個人では個の能力を上げられると思いますし、ブラジル戦でも今日の試合でも難しいときに、(三笘)薫のように一人でドリブルでどうにかしていく選手になれるわけではないですが、ボールを失わないとか、一人でタメを作るだとか、そういう部分はどこが相手だとしても、もっと自分が高められる部分だと思います。上でやっていくには必要なところです。そういう個の部分ではもっと上を目指さないと思っています」

「手応えに関して、ある程度インサイドハーフのポジションでやっていましたが、多くの人は僕がインサイドハーフをできると思っていなかったと思うし、そのインサイドハーフである程度できるということは見せられたのかなと思っています」

「チームとしては2試合すごく良い試合をして、ブラジル戦は結果的に0-1でしたが、すごく差を感じました。今日に関してもうまくいっていない中で、自分を含めて仕留め切るところだったり、0-0のタイミングで失点しないであったり、そういうワールドカップのような戦いになれば、最初の得点が大事ですし、先に失点しないことが重要です。そういう部分をチームとして徹底していかなければならないです」

この試合では左のインサイドハーフでよりフィニッシュに絡むシーンが目立った鎌田。決定機を逸したことは反省しながらも、その他の選手にない自身の特長を突き詰めていきたい考えだ。

「僕が(決定機を)外したシーンだったりは、細かい状況を全然覚えていませんが、自分は足があまり速くないので、常にボールを奪った後のカウンターのところは狙っていましたし、今日はそういう部分が狙いという話もあったので、僕自身はああいう場面で決め切れなかったですが、ああいうところに入って行けているところは、他のインサイドハーフの選手にない部分だと思っているので、他の選手に比べて怖いところに顔を出せているとは感じています

「今日に関しては自分が決めていれば、また違った内容の試合になっていたと思います。ああいうところに顔を出せていること自体は良いことだと思いますし、あとはその回数を増やしていくことが大事だと思います」

また、直近に対戦したガーナに比べ、コンディション、本気度も勝ったチュニジア相手に、ビルドアップや崩しの局面で苦戦を強いられた日本。だが、鎌田は自身を含め個人のミスを反省しつつも、チーム全体のパフォーマンスに関してはそこまで悪くはなかったと考えている。

「全試合でうまくビルドアップから良い崩しをして得点を取ることを自分たちは目指していますが、毎試合良いパフォーマンスを見せるのは、どんな国でもどのクラブでもできないことです」

「今日に関してもめちゃくちゃ良かったわけではないですが、前半は相手に得点チャンスを作らせていなかったですし、逆に僕たちは自分のところで外しましたが、ビッグチャンスもありました。やっぱり強い国や選手はそういうチャンスを逃さないですし、もちろんどんな良い選手でも、ああいうチャンスを外すこともあります」

「今日はうまくいかなかったですが、別にチームとして悪くなかったと思うので、個人的な部分で決め切る、守り切るであったりの部分がまだまだ足りてないと思うので、そこは成長できる部分でもあるので、1個のミスでクヨクヨしてもしょうがないのです」

「プラスに考えるのであれば、ワールドカップ前にこういう試合でミスをしたことが、良かったと思えるようにやっていきたいです。大事なのはワールドカップなので、しっかりとチームとして切り替えていくべきですし、この4試合ではすごく良いことにトライもできましたし、いろいろな良いところ、悪いところも出たことをポジティブに捉えたいです」

最後に、今回の4試合では一部主力を欠いたガーナを除き、ブラジル、チュニジアとW杯出場国からゴールを奪うことができなかったが、強豪相手にゴールを奪うための道筋に関しては、守備時の我慢、カウンターの精度を挙げた。

「今日もチャンスになっているシーンは奪ってからのカウンターだったですし、ブラジル戦もそうでした。やっぱり、良い守備から良い攻撃というのが、相手が上になればなるほど、自分たちの戦う形になってくると思うので、逆にガーナやパラグアイ戦では良い奪い方からショートカウンターでチャンスも作れていました。そういうシーンを多く作ることで、相手も疲れて自分たちも良いフィーリングでポゼッションしながら崩すこともできます」

「試合としてはそういう形ですが、今日もうまくいっていない時間帯にもっと割り切って、守備の行き方を変えたり、ハイプレスからロープレスなど、まだまだチームとしてうまく試合中に変えていくこともできると思います」

「ワールドカップのような大きな大会では、失点することがダメなので、強豪国になればなるほど、今日僕たちが0-1から2点を失ったように、僕たちがゼロで長い時間プレーできればできるほど、強豪国とかは勝たなければいけないという部分で、カウンターをより狙いやすくなると思いますし、どれだけゼロで抑えられるか、どれだけ悪くても先に失点しないというところ、うまくいっていないときに自分たちで変えられる力が必要だと思っています」