頼れる守備者となっている

ワールドカップ・カタール大会前に用意された大事な4連戦を消化した日本代表。チーム全体で大きな課題が見つかっており、とくにチュニジア戦での失敗は本大会ではできない。3失点した守備陣もそうだが、攻撃陣は枠内シュートがゼロでは勝てない。

このようなネガティブな意見も多いが、ポジティブな要素も多かったといえる。それは板倉滉のパフォーマンスだ。アジア最終予選から起用される機会が増えたDFで、この4試合では2試合でスタメンとしてピッチに立ち、残りの2試合でも途中から起用されている。センターバック、中盤をこなせるユーティリティ性を持っており、本大会でも重宝されることになるだろう。

板倉は守備で相手の攻撃を跳ね返し、ビルドアップで攻撃の前進をサポートできる現代的なセンターバックだ。とくに魅力なのはビルドアップでの貢献度の高さであり、チュニジア戦で何度か個で相手のプレッシャーをかわし、攻撃を活性化させている。日本はアンカーの遠藤航が潰されることになればビルドアップで窮屈になることがあり、チュニジア戦でも同様の問題を抱えていたが、板倉は個の能力で解決できるだけの能力の高さを持っている。

冨安健洋が戦線に復帰すれば中盤の起用をより長い時間試してほしい。この4連戦ではパラグアイ戦の後半のみであり、フルタイムでどこまで機能するのかを確認する必要がある。すぐにフィットすれば1人で2役こなせる代表でも中心人物になるはずだ。

最終ラインでは盤石な地位を手にした板倉。現状は板倉と吉田麻也のコンビがファーストチョイスになっているが、冨安が戻って来れば吉田が居場所を奪われる可能性もある。それほどに板倉のパフォーマンスはよく、9月の代表戦に森保一監督は誰をセンターバックとして起用するのだろうか。