日本サッカー協会(JFA)は23日、理事会を行った。終了後には須原清貴専務理事が記者会見を行い、7月に日本で開催されるEAFF E-1サッカー選手権における声出し応援解禁の見通しについて語った。

 新型コロナウイルスの影響が続く中、現在のサッカー日本代表戦ではファン・サポーターの声を出しての応援が禁止されている。一方、Jリーグでは一部試合でスタンドに「声出し応援エリア」を段階的に導入しての実証実験が行われているところだ。

 E-1サッカー選手権は7月19日から27日にかけて、茨城県のカシマスタジアムと愛知県の豊田スタジアムの2会場で開催される。男子は日本代表に加えて韓国代表、中国代表、香港代表の4ヶ国による総当たりのリーグ戦で優勝を争う。女子も同様の方式で、なでしこジャパンや韓国女子代表、中国女子代表、チャイニーズ・タイペイ女子代表の4チームが参加予定だ。

 会場に集まる男女日本代表のファン・サポーターは声で選手たちを後押しできるのだろうか。須原専務理事は「JFAとしましても、観客の皆さんの声は非常に大切な要素だと思っています。なので、観客の皆さんに声を出していただくというのが本当の日常だと考えています」と述べる。Jリーグの実証実験も価値のあるものだと捉えているようだ。

 しかし、「我々としては、代表戦の場合は基本的に満席にしていくことが大前提」だと須原専務理事は言う。そのうえで「満席にしたうえで声出しをしていただけるという環境は、まだ整っているとは思っていません」と続け、E-1サッカー選手権での声出し応援解禁に慎重な姿勢を示した。

「まだ数日ございますので、どのような状況に変わるかわかりませんけれども、我々が満席にしていきたいという前提の中でどうなっていくか、自治体の皆さんともしっかりと話し合いをしていきながら、みなさんに受け入れられる方法を考えていきたいと思います」

 近日中に状況が大きく変わらない限り、国内で行われる日本代表戦でファン・サポーターの声援が戻ってくるのはもう少し先になりそうだ。

(取材・文:舩木渉)