アジアカップでは日本も苦戦した

4年に1度の祭典・ワールドカップでは、開催国も特別な注目を集める。圧倒的に有利となるホームサポーターの声援が力となり、時に実力以上の結果を残すチームが出てくることもあるからだ。

今回のカタールも同じだ。開催国枠で出場するカタールは今回がワールドカップ初出場であり、サポーターたちが特別な思いを抱いているのは間違いない。

問題は、ホームの強みを活かしてグループステージを突破できるかどうか。

カタールは開催国枠でグループAに入るが、同居するのはエクアドル、セネガル、オランダと少々ハードルが高い。実力的には欧州トップクラブで活躍するタレントを多く揃えるセネガルとオランダが一歩リードしている印象で、カタールとしては何とか初戦のエクアドル戦で勝ち点3をゲットして勢いに乗りたい。

ただ、親善試合ではそれほど良い結果が出ていないのが気がかりだ。今年に入ってからはブルガリア代表に2-1で勝利しているが、昨年は欧州勢に手痛くやられている。積極的にマッチメイクしたものの、ポルトガルには2試合で1-3、0-3と完敗を喫し、アイルランドとの2試合も1-1、0-4と勝ち切れず。セルビアにも0-4、0-4と完璧にやられてしまった。これらの経験を本大会にどう活かすかだが、工夫を施さなければ勝利を収めるのは難しいだろう。

カギを握るのは、長くチームでプレイしてきた選手たちの連携だ。特に前線はアジアカップ2019でも猛威を振るったFWアルモエズ・アリとアクラフ・アフィーフのコンビが健在で、ここが機能しないことにはカタールの勝利はない。

2人に対しての評価はそれなりに高く、先日英『FourFourTwo』が発表した『現アジア人選手TOP10』にてアリは8位、アフィーフは5位に選ばれており、得点部分はアリ、チャンスメイクの部分はアジアカップ2019で10アシストも奪ったアフィーフが担う。この2人がワールドカップで通用するかどうかだ。

ちなみに、このランキングでは日本から7位にDF冨安健洋、6位にMF遠藤航の2人が選ばれており、日本の場合は守備にストロングポイントがあると見られている。トップ3は3位にイランFWサルダル・アズムン、2位に同じくイランからFWメフディ・タレミ、そして1位は韓国代表FWソン・フンミンだ。

アジア勢として開催国のカタールがどこまでオランダやセネガルに喰らいつけるかは興味深い。国内組が中心になっていることや、冬開催という独特なスケジュール、カタールの気候など開催国のカタールは何かと不気味な存在だが、これまで積み上げてきた準備は花開くか。