明治安田生命J1リーグ・名古屋グランパス所属のGKミッチェル・ランゲラック(34)は、今月の国際親善試合でオーストラリア代表に復帰。オーストラリア代表のグラハム・アーノルド監督が同選手の代表復帰に至るまでの経緯やFIFAワールドカップ・カタール大会出場の可能性について語った。14日、米メディア『FOX』豪州版が伝えている。
ランゲラックは2011年3月の国際親善試合ドイツ戦で初めてベンチ入りすると、2013年10月の国際親善試合フランス戦でデビュー。2014年のブラジルW杯でメンバー入りした実績を持っている。ただアジアカップやW杯予選など大半の試合でベンチを温めると、昨年5月に代表引退を発表。新型コロナウイルス感染拡大をうけて、家族と過ごす時間を多くとることを優先することを理由に挙げていた。
しかしオーストラリアメディア『FTBL』が今月13日にランゲラックの代表復帰が濃厚と報道。するとオーストラリアサッカー連盟(FFA)は14日午前、今月下旬のニュージーランド戦2試合にむけて同選手を招集したことを公式発表している。
アーノルド監督は「代表引退を決断した時に彼と交わした会話が、私の心の中に残っている。コロナによって引退を余儀なくされたように感じたし、日本でのプロトコルがいかに厳しいかということも分かった」
「彼は奥さんと2人の幼い子どもからあまり離れたくなかったんだ。彼にとってその時の決断は、とても難しいものだった。私は彼を説得しようとしたが、彼は引退がベストだと感じたのだ」と、昨年5月の代表引退時のやり取りに言及。
「オーストラリア代表が勝つと、彼から『おめでとう』というメールが来るし、彼が遠くから見守ってくれていることも分かっていた」と代表引退後も定期的に連絡を取り合っていたことを明かしている。
またランゲラックをカタールW杯の代表メンバーに招集する可能性については「現時点での唯一の保証は、ニュージーランドとの2試合のみだ。彼はこの2試合のために代表チームに参加する」と、現時点では白紙であることを強調。
それでも「彼の状態やパフォーマンスは、カタールW杯にむけて最も重要なことだ。ワールドカップにむけて、すべての計画を立てなければならない。ゴールキーパーの誰かに何かアクシデントがあったとしても、プランBやプランCの準備ができるようにしておかなければならない」とコメント。カタールW杯でのランゲラック招集に含みを持たせている。
オーストラリア代表はカタールW杯アジア最終予選・Bグループを3位で終了。今年6月のアジアプレーオフでUAE代表相手に2-1で勝利すると、大陸間プレーオフで南米予選5位のペルー代表をPK戦の末に下してW杯出場を決めている。
また今月22日にホームにニュージーランド代表を迎え撃つほか、25日には敵地で再びニュージーランド代表と対戦。11月23日にW杯グループリーグ初戦でフランス代表と激突する。