クオリティを高めたい

ドイツのデュッセルドルフでアメリカ代表とエクアドル代表との親善試合を控えている日本サッカー協会は先日、30人の日本代表を発表した。ワールドカップ・カタール大会では26人の登録が可能となっており、本戦ではここから4人が減ることになる。

本戦よりも多いメンバー選考になっていることもあって相馬勇紀、旗手怜央、町野修斗、瀬古歩夢と見慣れないメンバーが多い印象だ。瀬古は板倉滉負傷の影響で呼ばれたといえるが、相馬、旗手、町野はテスト要素が強いといえる。

そんな前線、中盤とは打って変わって守備陣はほぼメンバーが固まっている。瀬古は例外だが、中山雄太、伊藤洋輝、谷口彰悟、山根視来とアジア最終予選で起用された新戦力はチームに定着している。

少し不安なのは左サイドバックか。伊藤が1番手で、次に中山、長友佑都が序列上並んでいるが、伊藤ほどの安定感を出せる選手がいない。中山はアジア最終予選では途中出場からハイパフォーマンスを披露していたが、6月の4連戦ではミスを連発しており、評価を下げている。ハダースフィールド・タウンでは3バックの左や左ウイングバックとして出場しており、試合感は問題ないといえるが、どこまで復調しているのか。

長友の守備力はブラジル代表相手にも通用するが、ボールをプレイする側に回るとやはり弱みとなってしまう。FC東京では両サイドバックとして起用されており、森保ジャパンでも両SBのバックアッパーが彼の役割か。

本戦までの時間はないかもしれないが、グラスホッパーでは3バックの左として起用されている瀬古を守備的なSBとして使う選択肢は悪くない。右利きだが、左でも高精度のボールを供給することができ、ロングフィードが彼の武器だ。

森保一監督がどこまで考えているか分からないが、左SBのクオリティ不足は気になる。代表での経験がある3人がいるとはいえ、何か工夫が必要となりそうだ。