攻守両面にバランスよくタレントは揃っている
2002年のワールドカップ日韓大会から20年。今では欧州でプレイする選手も増え、日本代表メンバーのほとんどが海外組になった。世界的に評価されるタレントも増えており、この20年で日本サッカー界が進歩してきたのは間違いない。
その日本が3度挑んだのがワールドカップ・ベスト8への壁だ。決勝トーナメントには過去3度進んでいるが、いずれもベスト16で敗れた。ただ、ゆっくりではあるが確実に近づいてはいる。2010年大会はパラグアイ代表とPK戦まで持ち込み、前回大会はベルギー相手に2点を先行した。これは日本のレベルが上がっている証拠と受け取っていいだろう。
英『HITC』は今年のカタール大会で4度目の正直が起きるかと日本に注目しているが、タレント力に関しては過去最高との評価を下している。
「森保一率いるチームがカタールでさらに一歩前進し、歴史を作れるのか。日本は確かに才能がある。ワールドカップ出場権を勝ち取ってきたチームでは、間違いなく過去最高にスキルのある日本代表だ。セルティックの3人はカタールでブレイクするかもしれない。南野、フライブルクの堂安律、フランクフルトの鎌田は中盤からゴールを奪う力を有する。そしてワンダーキッドの久保は一瞬でゲームを変えられる。彼の右サイドからのロッベン風のカーブショットには要注意だ」
同メディアはこう評価しており、思った以上に高い評価だ。どの時代の日本代表が最強かは答えの出ない議論だが、今の日本が全体的に多くのタレントを抱えているのは確かだ。テクニックや勝負強さの面では香川真司や本田圭佑、岡崎慎司といった2010年代のチームの方が上かもしれないし、遠藤保仁や中田英寿、中村俊輔の方がゲームメイクの能力も高いかもしれない。
しかし、今のチームが攻守両面にバランスよくタレントを揃えているのは間違いない。2列目は海外で活躍する選手が多数おり、守備では冨安健洋や板倉滉(負傷中)といったセンターバックが出てきた。日本人センターバックが5大リーグで普通に活躍している姿は10年前まで想像できなかったことだ。
ブンデスリーガでデュエルが評価される遠藤航、スポルティングCPで活躍する守田英正もクオリティは高い。特に遠藤はフィジカルが弱点という日本人のイメージを一変させた選手と言える。
もちろん今大会はドイツ、スペインが同じグループにいる。日本代表にとっては過去最大に難しいグループに入ってしまい、同メディアもグループ敗退が最も濃厚なシナリオであるとは伝えている。
それでもグループ突破からのベスト8入りを信じるだけの素材はある。日韓大会から20年、日本は真の強豪と呼べるドイツ&スペインをどこまで驚かせられるだろうか。