対戦する日本も要注意
2014年のワールドカップ・ブラジル大会を制した当時のドイツ代表は、中堅世代とベテランが上手く融合したチームだった。ベテランのリーダーは、FWミロスラフ・クローゼ、MFバスティアン・シュバインシュタイガー、DFフィリップ・ラームの3人だ。各ポジションに入るリーダーがきっちりとチームをまとめ、周囲の選手の能力を上手く引き出していた。
今年のカタール大会でその役割を担う者がいるとすれば、FWトーマス・ミュラーとGKマヌエル・ノイアーだろう。ドイツは2010年の南アフリカ大会でベスト4の成績を残しているが、この大会当時のミュラーはまだ20歳。駆け出しの若手だった。ノイアーは24歳、MFサミ・ケディラは23歳、トニ・クロースは20歳、エジルは21歳で、ここが黄金世代のスタートだった。
あれから12年。南アフリカ大会を経験した黄金世代のうち、カタール大会でも代表に入ると予想されるのはミュラーとノイアーの2人だけだ。フィールドプレイヤーではミュラー1人となり、英『Daily Mail』はトップパフォーマンスを継続してきたミュラーはもっと高く評価されるべき選手だと絶賛する。
過去のワールドカップで得点を量産してきたこともそうだが、所属するバイエルンではクレバーなポジショニングを武器にアシストも量産してきた。昨季まで所属していたロベルト・レヴァンドフスキとは最高の関係を築いており、ミュラーは年齢を重ねてもパフォーマンスの質を落としていない。
レアル・マドリードでプレイするクロースも本来は今も代表でプレイ出来る実力者だが、現在は代表を離れている。南アフリカ大会当時のメンバーではエジルが早々に5大リーグを離れ、21歳だったFWマルコ・マリンは伸び悩んだ。21歳だったDFホルガー・バドシュトゥバーは怪我に悩まされ、9月に現役引退を表明した。
ミュラーの怪我の少なさ、プレイの一貫性は見事で、確かにもっと評価されるべき選手と言える。カタール大会のグループステージ初戦で対戦する日本代表も、ミュラーが出場してくる場合は経験値に要注意だ。