アメリカ戦は上手くいきすぎた
1日、日本サッカー協会からワールドカップ・カタール大会に臨む26人の日本代表が発表された。サムライブルーは17日にカナダ代表との親善試合を戦い、23日にドイツ代表とのグループステージ初戦に臨む。
発表されたメンバーを見た際に気になったのは前線の人選だろう。前田大然、浅野拓磨、伊東純也と快足自慢が揃う。
9月に2試合の親善試合を戦った日本代表が得たものはハイプレス・ショートカウンターの成果だ。とくにアメリカ戦では顕著にそれが現れており、試合を決める重要な戦術として機能した。
アメリカ戦でハイプレス・ショートカウンターを行ったことを考えれば本戦でも同様の戦術を試す可能性が高い。コスタリカ代表はこれまでの傾向から日本代表がボールを保持すると予想でき、そうなれば初戦のドイツ戦、3戦目のスペイン戦でハイプレス・ショートカウンターを使うべきか。
最も効果的にハイプレス・ショートカウンターがハマるとすれば3戦目の対スペインだろう。スペイン代表は強気な高いライン設定を敷いており、相手を押し込んで戦う。しかしネーションズリーグではそのハイラインの弱みが出る場面が多く、2-2と引き分けたチェコ戦ではハイラインの裏を突かれ、失点を喫している。
ドイツ代表も同様にハイラインを敷いているが、ボールロスト時の守備対応、守備範囲の広いマヌエル・ノイアー、最終ラインにいる身体能力に強みを置く守備者の存在が失点を最小限に抑えている。アントニオ・リュディガーやニクラス・ズーレのような強く速いDF相手に日本代表のスピード自慢がどこまでかく乱できるかは分からない。
対するスペイン代表はエリック・ガルシアやアイメリック・ラポルトとセンターバックはスピードスターを苦手とするタイプが多く、前田をはじめとする日本の韋駄天たちが勝機を見出してくれるはずだ。
ただハイプレス・ショートカウンターは効果的だが、交わされてしまえば中盤にスペースが生まれ日本の守備が一気に脆くなってしまう。アメリカ戦ですら後半相手が3バックに可変するなどして対応してきた際はそのスペースを突かれており、指揮官である森保一監督の修正力が試される。
W杯で森保ジャパンの武器となる韋駄天たち。成果は挙げており、それをドイツやスペインといったトップクラスのチーム相手にも通用するようにここからブラッシュアップしていきたい。